農林水産省・新着情報

宮下農林水産大臣記者会見概要

日時 令和5年11月20日(月曜日)9時50分~10時03分 於: 本省講堂
主な質疑事項
  • 日中首脳会談について
  • 収入保険と野菜価格安定制度の同時利用について
  • 北海道への出張について
  • 鶏卵価格の動向について
  • 高病原性鳥インフルエンザに係る農場の分割管理について
  • 政治資金パーティについて

質疑応答

記者

  先日、日中首脳会談が行われまして、会談後に岸田総理は、中国の日本産水産物の(輸入)停止措置について、「建設的な態度をもって協議と対話を通じて問題を解決する方法を見いだしていくことで一致した」と発言しましたが、今回の日中首脳会談の受け止めをお聞かせください。

大臣

  先週17日に開催された日中首脳会談において、岸田総理から習近平中国国家主席に対し、日本産食品輸入規制の即時撤廃を強く求めたところです。また、建設的な態度をもって協議と対話を通じて問題を解決する方法を見いだしていくことで一致をしたところです。今後は、専門家のレベルでの議論が行われることになりましたが、科学的分析と事実に基づく建設的な議論が行われることを期待しているところです。

記者

  専門家のレベルでの議論というのは、何か新しく枠組みを作るとかいったものなのでしょうか。あるいは、いつぐらいにどういう形で議論を始めていくとか、具体的なものがありましたらお伺いできますか。

大臣

  具体的な進め方については、今後、関係省庁と調整をしていくことになりますけれども、詳細は外務省にお問い合わせいただきたいと思います。

記者

  収入保険と野菜価格安定制度についてお伺いします。農水省の方で収入保険制度と野菜価格安定制度の同時利用を24年から順次打ち切る方向で検討されているということですけれども、産地、JAグループ等からは継続を求める声が出ていました。どう対応されるか、お考えをお聞かせください。

大臣

  収入保険と野菜価格安定制度の同時利用については、効果を検証した上で、今後の取扱いを検討することとしており、その前提として調査してきましたけれども、これまでの調査では、同時利用者の約9割は利用期間終了後に収入保険を選択すると回答されていたり、また既に収入保険に移行した方や同時利用者の方のいずれも98%以上が野菜価格安定制度の対象野菜の出荷先は変更していないという回答もいただいています。こうした結果や類似制度との公平性等も踏まえて、今後の取扱いを検討しているところでして、決定次第、関係者の方々に速やかにお知らせしたいと考えています。

記者

  収入保険の一本化が進むと、将来的に野菜価格安定制度の緊急需給調整事業の方への影響があるのではないかということで、心配する声がありますけれども、この辺りについてはどうお考えでしょうか。

大臣

  野菜価格安定制度加入の有無に関わらず、緊急需給調整事業自体には、ご加入いただけるという制度なので、その機能が維持できるような配慮、運営といったことも含めて検討していくことが必要と思っています。

記者

  先週末、北海道に出張に行かれていたということで、そちらの成果をお聞かせいただけないでしょうか。

大臣

  一昨日18日に、北海道の上川、留萌及び空知管内等の農業、水産業について視察し、訪問した各地で様々なご意見をお聞きすることができました。大変有意義な視察になったと思います。例えば、国産米の輸出、バイオプラスチック向けとしての米の利用等の取組状況を知ることができましたし、地域特有の重粘土質により、復田後の水稲の収量や品質が低下するなど、水田におけるブロックローテーションを推進する上での課題も知ることができました。中国による日本産水産物の輸入禁止がホタテの稚貝等の生産に与える影響はあるということで、日本産の安全性を中国にアピールすることが必要という強いご意見もいただきました。農業水利施設や農地の整備を推進するとともに、継続的な施設管理が重要であるというご意見も多くいただきました。国産飼料の生産・利用拡大に向けた子実用トウモロコシの貯蔵・保管施設の整備等の必要性も理解することができましたし、温暖化の影響、外国人労働者の問題等についても、ご意見やご説明をいただいて、生産現場の皆様の生の声をお聞きすることができました。また、昨日19日は、農機メーカーの最先端の技術を活用した農業学習施設や6次産業化等に前向きな農業者の取組を視察し、北海道農業の現状と課題についてもお聞きしたところです。今回の出張を通じて、いただいた様々なご意見をしっかりと受け止めて、引き続き、生産現場の皆様に寄り添った政策を検討して、実行してまいります。

記者

  鳥インフルエンザについてお伺いします。JA全農たまごの集計によりますと、鶏卵の卸価格は、標準的なMサイズから大玉にかけて、昨シーズンの鳥インフルエンザが確認された直後の水準にまで値を戻しました。この価格水準についての受け止めが1点と、あと今シーズンは野鳥を除いて、採卵鶏については、鳥インフルは確認されていないと思うのですが、昨シーズンのように、この件数、殺処分数が多くなると、この価格にも、また値上がりの懸念があります。飼養衛生管理の徹底に向けた取組、分割管理などもありますけれども、これについて改めてお願いします。

大臣

  鶏卵の卸売価格については、昨年11月以降は大幅な高値で推移していましたけれども、昨シーズンの鳥インフルエンザの発生農家における再導入の進展等に伴い、本年6月以降は下落傾向にあると認識しています。現在の卸売価格については、例年に比べれば高い水準にありますけれども、今後も発生農家の再導入が進んで、供給量の回復傾向が続く一方で、年末に向けた需要の高まりも想定されることから、今後の価格動向について予断を持って申し上げることはなかなか難しい状況です。我が省としては、引き続き、鶏卵の需給動向をしっかり注視してまいります。また、昨年の大量発生を踏まえて、飼養衛生管理の徹底とともに農場の分割管理についても、取組の活用を図ることとしています。農林水産省として、農場の分割管理を現場で活用するために、専門家や関係団体等と議論の上、分割を行う際の留意事項などを内容とするマニュアルを本年9月に公表しており、既に分割管理の導入事例も出ています。県や農場から導入に向けた複数の相談も来ていまして、今後、取組が進むように丁寧に対応してまいります。また、農場の分割管理に取り組む際に追加で必要となる車両消毒ゲートや更衣室等の整備の支援に必要な予算を令和6年度当初予算で要求し、令和5年度補正予算でも措置しているところです。今後も、策定したマニュアルを基に各農場の実態に即した指導を行うとともに、優良事例の横展開を行うことで、農場の分割管理を活用して、発生時の需給への影響緩和を図ってまいります。

記者

  大臣が16日に都内で開いた政治資金パーティに関して伺います。大臣規範は、国民の疑惑を招きかねないような大規模パーティの自粛などを定めていますが、大臣は規範についてどのような認識を持ってパーティを開催されたのか、また在任期間中、今後もパーティを継続して開いていかれるのか、あわせてお願いします。

大臣

  先週11月16日に、政治資金パーティを開催しました。ご指摘については、今回のパーティも、例年開催されているものでして、規模においても良識の範囲内で開催をしたと考えており、大臣規範には抵触しないものと認識しています。政治活動の基盤を支える取組ということもありますので、年に一遍ということで、これまでもやってきましたし、今後も続けていくことになると思います。

記者

  確認なのですけれども、大規模パーティに抵触しないということなのですけど、何人の方がパーティ券を購入されたのか、それと、その数をもって大規模に抵触されないという認識なのかどうかちょっとお願いします。

大臣

  過去の官房長官答弁等では、1,000人規模というのが一つの目安と聞いていますが、当日、来られた方は、約220名と聞いています。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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