首相官邸・新着情報

北朝鮮による衛星打ち上げを目的とする弾道ミサイルの発射について

 北朝鮮は、昨日22時43分頃、北朝鮮北西部沿岸地域東倉里(トンチャンリ)地区から、衛星打ち上げを目的とする弾道ミサイル技術を使用した発射を強行しました。発射された1発は複数に分離し、1つ目は、22時50分頃、朝鮮半島の西約350キロメートルの東シナ海上の予告落下区域外に落下しました。2つ目は、22時55分頃、沖縄本島と宮古島との間の上空を通過し、22時57分頃、沖ノ鳥島の南西約1,200キロメートルの太平洋上、我が国EEZ(排他的経済水域)外である予告落下区域内に落下しました。これ以上の詳細については現在分析中であります。なお、現時点において、地球周回軌道への衛星の投入は確認されておりません。
 国民の皆様に対しては、Jアラート等により、当該発射の発射情報と通過情報を伝達するとともに、付近を航行する航空機や船舶への情報提供を行ったところ、現時点において、我が国領域への落下を含め、被害報告等の情報は確認されていません。政府としては、引き続き我が国の領域及びその付近の落下物の有無等について、関係機関を通じて確認作業を実施しているところであります。
 北朝鮮は、昨年以降、我が国上空を通過したものも含め、弾道ミサイルをこれまでにない高い頻度で発射しています。これらの高い頻度で続く一連の挑発行動に加え、今般、再び日本列島上空を通過する形での発射が行われたことは、我が国の安全保障にとって一層重大かつ差し迫った脅威であるとともに、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、国際社会全体にとっての深刻な挑戦であります。また、このような発射は、衛星打ち上げを目的とするものであったとしても、北朝鮮による弾道ミサイル技術を使用したいかなる発射も禁止している、関連する安保理決議に違反し、国民の安全に関わる重大な問題であります。特に、発射について繰り返し中止を求めてきたにもかかわらず、今般北朝鮮が行った、日本列島上空を通過する形での発射は、航空機や船舶はもとより、付近の住民の安全確保の観点からも極めて問題のある行為であります。政府としては、北朝鮮による今般の発射について、直ちに北京の大使館ルートを通じ、北朝鮮に対して厳重に抗議し、最も強い表現で非難しました。
 また、先ほど国家安全保障会議の四大臣会合を開催しました。国家安全保障会議においては、今般の発射に関する情報を集約するとともに、更なる事実関係の確認をし、分析を行いました。その上で、北朝鮮による更なる発射等に備え、情報収集・警戒監視に当たることや、国民の安全と安心の確保に万全を期すことを改めて確認するとともに、外交・安全保障政策に関する今後の対応方針について議論を行ったところであります。その上で、こうした内容を含む内閣官房長官声明を審議し、お手元の配布資料のとおりとしたので、御参照ください。
 政府としては、情報の収集及び分析に全力を尽くし、新たな情報については、国民の皆様に対して情報提供を行ってまいります。また、米国や韓国等の関係国と緊密に連携し、引き続き国民の安全と安心の確保に万全を期してまいりますので、国民の皆様におかれましては、冷静に、平常どおりの生活を送っていただきたいと思います。私からは以上です。

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