議案審議経過情報

(注)下記の表で内容がない箇所は、現時点で情報が未定のもの、もしくは情報がないことが確定したものです。

項目 内容
議案提出者 西村智奈美 君外十名
衆議院審議時会派態度
衆議院審議時賛成会派
衆議院審議時反対会派
議案受理年月日 2023-10-20
公布年月日

要項または提出時法律案

第二一二回
衆第四号
   解散命令の請求等に係る宗教法人の財産の保全に関する特別措置法案
 (目的)
第一条 この法律は、近年の宗教法人をめぐる社会状況及び現行の宗教法人制度の下では解散命令の請求等に係る宗教法人の財産についてその隠匿又は散逸のおそれへの対処には困難を伴う場合があることに鑑み、当該宗教法人の財産の保全に関し特別の定めをすることにより、当該宗教法人による不当な寄附の勧誘を受けた者等に係る被害の回復に資し、もって消費者の利益の擁護に寄与することを目的とする。
 (定義)
第二条 この法律において「宗教法人」とは、宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第四条第二項に規定する宗教法人をいう。
 (宗教法人の財産に関する保全処分)
第三条 裁判所は、宗教法人法第八十一条第一項第一号又は第二号(同法第二条に規定する宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたことに係る部分に限る。附則第三条第一項において同じ。)に該当する事由があることを理由として、同法第八十一条第一項の規定による裁判の請求があった場合又は裁判所が職権で同項に規定する事件の手続を開始した場合であって、当該裁判の請求又は当該事件の手続に係る宗教法人について次の各号のいずれにも該当すると認める相当な理由があるときは、所轄庁(同法第五条に規定する所轄庁をいう。)、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、その事件につき決定があるまでの間、当該宗教法人の財産に関し、管理人による管理を命ずる処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。
 一 当該宗教法人による不当な寄附の勧誘その他の行為(民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百十五条第一項その他の法令の規定により当該宗教法人が損害を賠償する責任を負うべき信者その他の関係者によるものを含む。)によって生じた損害の賠償に係る訴訟、示談の交渉及び国の行政機関その他の関係機関に対する相談に係る状況その他の事情に照らし、当該行為によって、相当多数の個人において、多額の損害が生じていると見込まれること。
 二 当該宗教法人の財産の構成、国内から国外へ向けた多額の送金その他の当該財産の第三者への移転に係る状況その他の事情に照らし、当該財産の隠匿又は散逸のおそれがあること。
 (会社法の準用)
第四条 会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百二十五条第二項から第七項まで、第八百六十八条第一項、第八百七十条第一項(第一号に係る部分に限る。)、第八百七十一条、第八百七十二条(第一号及び第四号に係る部分に限る。)、第八百七十三条、第八百七十四条(第二号及び第三号に係る部分に限る。)、第八百七十五条、第八百七十六条及び第九百五条から第九百六条の二までの規定は、前条の規定による保全処分について準用する。この場合において、同法第八百二十五条第二項中「管理命令を」とあるのは「解散命令の請求等に係る宗教法人の財産の保全に関する特別措置法(以下「特別措置法」という。)第三条の管理人による管理を命ずる処分(以下この項において「管理命令」という。)を」と、同条第三項中「法務大臣若しくは株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立て」とあるのは「所轄庁(特別措置法第三条に規定する所轄庁をいう。第九百六条第四項(第九百六条の二第四項において準用する場合を含む。)において同じ。)、利害関係人若しくは検察官の請求」と、同法第八百七十二条第一号及び第九百五条中「第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)」とあるのは「特別措置法第三条」と、同条第二項中「申立て」とあるのは「請求」と、同法第九百六条第四項(同法第九百六条の二第四項において準用する場合を含む。)中「法務大臣」とあるのは「所轄庁又は検察官」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
 (事務の区分)
第五条 第三条並びに前条において準用する会社法第八百二十五条第三項及び第九百六条第四項(同法第九百六条の二第四項において準用する場合を含む。)の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
   附 則
 (施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
 (この法律の失効)
第二条 この法律は、この法律の施行の日(次条第二項及び附則第五条において「施行日」という。)から起算して二年を経過した日に、その効力を失う。ただし、同日前に命ぜられた第三条の規定による保全処分については、この法律は、同日以後も、なおその効力を有する。
 (経過措置)
第三条 この法律の規定は、この法律の施行前に宗教法人法第八十一条第一項第一号又は第二号に該当する事由があることを理由として、同項の規定による裁判の請求があった場合又は裁判所が職権で同項に規定する事件の手続を開始した場合における宗教法人の財産の保全についても適用する。
2 施行日から民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(令和五年法律第五十三号)の施行の日(附則第五条において「整備法施行日」という。)の前日までの間における第四条及び第五条の規定の適用については、第四条中「及び第九百五条から第九百六条の二まで」とあるのは「、第九百五条及び第九百六条」と、同条中「第九百六条第四項(第九百六条の二第四項において準用する場合を含む。)」とあり、並びに同条及び第五条中「第九百六条第四項(同法第九百六条の二第四項において準用する場合を含む。)」とあるのは「第九百六条第四項」とする。
 (地方自治法の一部改正)
第四条 地方自治法の一部を次のように改正する。
  別表第一に次のように加える。

解散命令の請求等に係る宗教法人の財産の保全に関する特別措置法(令和五年法律第▼▼▼号)

第三条並びに第四条において準用する会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百二十五条第三項及び第九百六条第四項(同法第九百六条の二第四項において準用する場合を含む。)の規定により都道府県が処理することとされている事務

 (地方自治法の一部改正に伴う経過措置)
第五条 施行日から整備法施行日の前日までの間における前条の規定による改正後の地方自治法別表第一解散命令の請求等に係る宗教法人の財産の保全に関する特別措置法(令和五年法律第▼▼▼号)の項の規定の適用については、同項中「第九百六条第四項(同法第九百六条の二第四項において準用する場合を含む。)」とあるのは、「第九百六条第四項」とする。

     理 由
 近年の宗教法人をめぐる社会状況及び現行の宗教法人制度の下では解散命令の請求等に係る宗教法人の財産についてその隠匿又は散逸のおそれへの対処には困難を伴う場合があることに鑑み、当該宗教法人の財産の保全に関し特別の定めをする必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。