農林水産省・新着情報

宮下農林水産大臣記者会見概要

日時 令和5年11月10日(金曜日)9時17分~9時31分 於: 本省第一特別会議室
主な質疑事項
  • (大臣から)第46回全国育樹祭への出席について
  • 食料安全保障の定期的な検証の仕組みについて
  • 中国産花粉の輸入停止について
  • 中国向け錦鯉の輸出停止について
  • バターの需給状況について
  • 衆議院解散について
  • 決算検査報告における指摘事項について

冒頭発言

大臣

  私から1点ご報告がございます。明日の11日(土曜日)、明後日の12日(日曜日)と第46回全国育樹祭に出席するため、茨城県潮来市・水戸市に出張します。本年の全国育樹祭は「誰かじゃない 僕が育てる 緑の日本」をテーマに開催され、秋篠宮皇嗣同妃両殿下の御臨席を賜ります。全国育樹祭を契機に、より多くの方々が森林に関心を持っていただくことを期待しています。詳細は、この後プレスリリースします。本日、私からは以上です。

質疑応答

記者

  今年9月の食料・農業・農村政策審議会の答申の中で、基本計画の見直しに合わせて、食料安全保障の状況を定期的に検証する仕組みを設けるべきだとされています。現在、ご検討中かと思うのですが、具体的にどのようなものを想定していらっしゃるか、イメージがあればお聞きしたいと思います。

大臣

  食料・農業・農村政策審議会の答申におきまして、基本計画の見直しに関して、我が国の食料安全保障について、主たる項目ごとに、現状分析、課題の明確化、課題解決のための具体的施策、施策の評価のためのKPIを設定すること。その際、食料自給率に加え、食料安全保障上の様々な課題の性質に応じたKPIの設定を行うこと。そして、PDCAサイクルを回し、施策の見直しや、KPIの検証を行うといった方向で見直すことが提言されているところです。また、6月に決定した「食料・農業・農村政策の新たな展開方向」におきましても、「様々な指標を活用・分析することにより、我が国の食料安全保障の状況を定期的に評価する仕組みを検討する」こととされており、これらの内容を踏まえつつ、具体的な仕組みについて検討してまいります。

記者

  関連して、自給率という指標以外に、大臣が何かこういったものを把握する必要があるのではないかと考えていらっしゃることがあればお聞きできますか。

大臣

  昨日、一昨日も、衆(議院)・参(議院)の農林水産委員会で、多くの委員の皆様が自給率について言及されました。私からは、自給率についても、カロリーベースと生産額ベースがあるし、自給力指標というのを取り上げられた方もいましたし、また、生産資材等々の自給率は、直接、今、使っているカロリーベースの自給率に反映されていないというようなことで、複数の指標をチェックする必要があると思います。今後、課題解決のために必要な指標を定めてKPIを設定するかというのは、これからの検討になるのではないかと思います。

記者

  中国産花粉の輸入停止について伺います。なしやりんごの受粉に使う中国産花粉の輸入停止により、国内産地から花粉不足を懸念する声が上がっています。国内で花粉がどれぐらい不足しているのか、使用実態、産地への影響と農水省としての対応についてお答えいただけますか。

大臣

  中国における火傷病の発生に伴いまして、花粉の輸入停止の状況を受けまして、都道府県に対して、なしの花粉の必要量や来季の花粉確保の取組について聞き取りをしているところです。県によっては十分に把握できていないところもありまして、現在、把握を急いでいるところです。これまでに各産地で進める取組を把握したところ、JAなど、各関係機関の皆様が一体となって、花粉採取用の授粉樹や花粉を共同で調整するための専用機器の確保、冬季にせん定した枝を集めて室内で感温し、早期に開花させて花粉を採取する取組などが進められていることが分かりました。このため、今般の補正予算には花粉を調整する専用機器の整備や、せん定枝を活用した花粉生産の実証など産地の取組の支援を盛り込んだところであり、都道府県やJAの花粉確保の取組を後押ししたいと考えています。

記者

  現在、産地への影響というのは調査中の部分もあるということですけれども、実際に今分かる何か影響という、見えている部分はあるのでしょうか。

大臣

  (事務方に)今現在の状況、分かりますか。

事務方

  今現在、3割弱ぐらいの花粉というのが足りなくなると見込まれますので、その手当ということで、今回、補正予算も確保していますので、進めていきたいと思っています。

記者

  速やかに来年に向けて、把握していくという考えなのでしょうか。

大臣

  まずは、状況把握をした上で、新たに花粉を取る、集める、作る。こうした取組が進んでいますので、しっかり応援をしていくということだと思います。

記者

  錦鯉の中国への輸出についてお伺いします。日本から中国への錦鯉の輸出が今月から止まっているということですけれども、現時点の受け止めと対策、また、中国の輸出停止について、理由や経緯が既に判明していれば併せてお願いします。

大臣

  農林水産省としては、更新に必要な資料を提出していますけれども、未だに中国当局より更新手続きが完了したという報告を受けていません。その結果、先月末で期限が切れたという状況でして、輸出が停止していると認識しています。これまでのところ、現時点での手続きの状況、その理由等について中国側から情報は得られていないところですので、引き続き、中国当局への働きかけを継続してまいります。

記者

  当社に投書が来たのですが、洋菓子店の方から、業務用バターが非常に品薄だというお話を聞きまして、調べてみると本当にそのようです。一方、家庭用のバターはスーパーなどに行くと、かなりあるという状況なのですが、この原因とか、対応とかがあれば教えてください。

大臣

  9月末頃に業界が公表した需給見通しによりますと、バターの在庫は、適正水準を上回っているということで、現時点では、全体として不足するような状況にはなく、特に家庭向けは潤沢な状況にあると承知をしています。他方で、夏場の猛暑による生乳生産の落ち込みもあり、バターの需要期である冬に向けて、実需者の中に通常以上に在庫を積み増す動きがあると聞いています。このため、実需者や商品形態によっては、国産バターを中心に、確保の状況に差が生じているのではないかと考えています。農林水産省としては、引き続き、状況を注視しつつ、生産者団体のほか、乳業メーカー及び実需者等との情報交換を通じまして、国産バターの安定供給を支えていきたいと考えています。

記者

  昨日、岸田首相が経済対策と先送りできない課題に一つ一つ、一意専心取り組んでまいりますと述べ、年内の解散を見送る考えを示しました。この点について見解をお願いします。

大臣

  解散については、総理の専権事項ということで、総理が述べられたことに尽きると思いますので、私からのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

記者

  会計検査院の調査により農水省が東京オリンピック・パラリンピックの選手村で提供する国産豚肉の調達についての架空の数量を計上していたということが分かったという一部報道がありました。これについて事実関係と発覚の経緯、また今後の対応などを教えていただけますか。

大臣

  令和3年7月から9月に開催された東京オリンピック・パラリンピックにおいて、選手村の食堂で提供される豚肉を、国産豚肉の魅力を世界に発信するために、外国産から国産に切り換えた際の契約事務が不適切だったとの指摘を受けたところです。指摘のありました契約事務につきましては、会計法令に照らし著しく適正を欠いていると認識していまして、重く受け止めているところです。今後、農林水産省において、このような事態が生じないよう、再発防止のための改善措置を講じてまいりたいと考えています。

記者

  錦鯉に関係してですが、中国側の意図というのをどのように見ていらっしゃるかということと、来週にも日中の首脳会談を調整されているところですけれども、そこでの協議、そこに向けての影響などについて、どのようなものがあり得るのかお考えをお聞かせいただきたいと思います。

大臣

  タイミング的にも、他の水産物と、養殖のものですし、質的にも違うので、そことの連携はないと私自身は思っていますが、そもそも科学的根拠なく、いろいろな措置をこれまでも出されているので、やはり国際交渉、二国間協議、様々な場を通じて、合理的根拠のない、そうした貿易を歪めるようなことは是非撤廃してくれという主張は続けていくことが必要だと感じています。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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