文科省・新着情報

1.日時

令和5年7月3日(月曜日)17時00分から19時30分

2.場所

文部科学省「第二講堂」(旧庁舎6階) ※WEB会議併用

3.議題

  1. 社会教育主事講習の在り方や社会教育人材のニーズに応じた学習機会の拡大
  2. その他

4.出席者

委員

(臨時委員)古賀委員,関委員,野津委員,牧野委員
(専門委員)青山委員,伊藤委員,井上委員,大村委員,倉持委員,塩田委員,原委員,山本委員

文部科学省

(事務局)藤江総合教育政策局長,森友社会教育振興総括官,神山生涯学習推進課長,黄地地域学習推進課長 他

5.議事録

【牧野部会長】
 それでは,定刻になりましたので,ただいまから第3回社会教育人材部会を開催いたします。本日はお忙しいところ,また,お暑い中お集まりいただき,誠にありがとうございます。
 本会議は,対面とオンラインを併用して開催させていただきます。
 なお,本日もYouTubeのライブ配信を行い,報道関係者等の傍聴を受け入れております。報道関係者から,会議の全体についての録画を行いたい旨申出があり,許可しておりますので,御承知おきいただきたいと思います。
 では次に,事務局の方から,オンライン会議運営に当たっての留意事項の説明及び配付資料の確認をお願いいたします。

【中村生涯学習推進課課長補佐】
 事務局の中村でございます。本日は対面とオンラインを併用して会議を開催させていただく観点から,4点ほどお願いをさせていただきます。
 1点目,御発言に当たっては,インターネットでも聞き取りやすいよう,はっきり御発言いただきますようお願いいたします。2点目,御発言の際には,お名前をおっしゃっていただくようお願いいたします。3点目,御発言時以外は,マイクをミュートにしていただくようお願いいたします。4点目,発言に当たっては,挙手ボタンを押していただき,御発言後はボタンを解除いただければと思います。また,本日会場にお越しの委員の皆様には,御発言の際には挙手又はネームプレートを立てていただくようお願い申し上げます。お手数をお掛けいたしますが,御協力のほどよろしくお願いいたします。
 続きまして,資料の確認をさせていただきます。本日の資料は,議事次第のとおり,資料1から資料の3,参考資料1でございます。
 事務局からは以上でございます。

【牧野部会長】
 よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
 それでは早速,議事に入りたいと思います。今日は1930分まで予定されておりますけれども,おおむね2時間ほどをめどに考えたいと思いますので,よろしくお願いいたします。議事次第にありますように,本日の議題は,社会教育主事講習の在り方や,社会教育人材のニーズに応じた学習機会の拡大についてです。
 前回四つの機関と大学からの御報告を受けましたけれども,前回のヒアリングを踏まえまして私と青山副部会長と相談をしました結果,国立教育政策研究所の社会教育実践研究センターにおける社会教育主事講習の取組についても手短に御報告をお願いできればと思いまして,今日は資料を準備していただきました。それで最初に,資料1に基づきまして,社会教育実践研究センターの方から,センターが取り組んでいらっしゃる社会教育主事講習についての御報告をお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは,センター長の筒井さん,お願いいたします。

【国立教育政策研究所(筒井)】
 失礼します。社会教育実践研究センター長,筒井でございます。
 資料1を御覧ください。社会教育実践研究センターにおける社会教育主事講習についてということでおまとめしているものでございます。
 まず,現状でございます。令和2年度から社会教育主事講習の弾力化が図られておりますが,令和元年度からの受講者数,それから,実施方法についてまとめたものでございます。まず令和元年度でございますが,こちらは集合形式で4科目行っておりました。令和2年度からいわゆる新課程で主事講習を行いまして,まず,受講者数と申込者数,左から2列目でございますが,括弧書で申込者数,それと受講者数をお示ししてございます。令和2年度については,新型コロナの関係もありましたので,受講の申込み自体非常に少ないというか,そういう状況でございましたが,3年度以降,主事講習の申込みが今非常に増えてきている状況でございます。
 令和2年度から,コロナということもありまして,いわゆる座学形式の講義についてはライブ配信で実施しております。それから,令和3年度は,ライブ配信,それと集合研修,生涯学習支援論と社会教育演習については集合形式で今行っております。令和4年度からでございますが,ライブ配信,いわゆる座学の講義についてはeラーニングの形式を今取り入れてございます。引き続き,生涯学習支援論,演習についても集合形式で行っております。令和5年度でございますが,実は来週からA講習が始まります。11日から始まります。eラーニングで始めるのですけれども,今回の夏のA講習から,支援論と社会教育演習,こちらについてもフルオンラインで取り組みたいと考えております。
 2番目の課題でございます。ライブ配信,いわゆるオンラインに移行したことによりまして,受講環境を維持することが非常に難しくなってきているかと思います。集合研修であれば,まさに講師の先生方がいわゆる一つの部屋で講義を行っていたのですけれども,やはりそれぞれパソコンから入室していただくこともありまして,いわゆる受講環境が維持できていない。それから,これはごくまれなのですけれども,受講態度が余りよくない者,こういった者も実はおりました。一例を申し上げますと,車の運転中に講義を受講している者,こういったことも見受けられております。いわゆる受講に対して集中できるどういう仕組みを設けていくか。今現在,社研の方ではレポート,それから,小テストにおいて質の保証を図っているところでございます。
 それから,二つ目,講習期間中,いわゆるデジタル化にこれから取り組んでいくわけなのですけれども,講習の申込み前,それから,講習終了後,こちらについてもやはりデジタル化に取り組んでいくべきなのかなと思っております。実際,各機関もそうなのですけれども,都道府県が取りまとめてそれぞれの機関に主事講習の申込みを行っています。非常に各都道府県教育委員会の負担がかなり煩雑になると今聞いておりますので,こうした申込み段階からもデジタル化とか事務効率化を図る必要があるかなと考えております。
 それから,三つ目の課題でございます。実はこの5月の中旬なのですけれども,文科省主催の主事講習実施機関の国立大学,こちらとの意見交換会がありまして,その意見交換会に参加させていただきました。やはり国立大学さんが抱えている課題,いわゆる指導者不足,教える方々,担当する先生方の数が少なくなってきている,こういった要望というか意見も頂きましたので,やはり主事講習の講義内容の底上げを図るためにもいわゆる連携が必要なのかなと思っております。
 最後,受講者の声ということで二つばかり記載させていただきました。まず,eラーニングに取り組んでいるということで講義を繰り返し視聴することができる。いわゆる復習ができる,そういった内容かと思います。それと,集合研修ですけれども,やはり社研の主事講習なのですけれども,北海道から沖縄まで申込みがございます。そういった中で集合研修を実施してございますので,いわゆるネットワーク,そういったものが,4年度であれば北海道から鹿児島までの受講生が参加しておりましたので,こういったつながりがよかった,そういったものが受講者の声として聞かされております。
 裏面の方でございますが,5年度講習の日程を簡単にお示ししたものでございます。通常コース,オンラインコース,それと冬にBコースを実施してございますので,それぞれ約1か月間拘束するような形で今現在,主事講習を実施しているところでございます。
 少し早口になってしまいましたが,社研からの主事講習の取組については以上でございます。よろしくお願いします。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。特に令和3年度から受講者が急増している,それに対応してライブ配信,それから,eラーニング等の措置を取られたということ,さらには,オンライン形式に移行したことによる様々な課題があるというお話でしたが,その反面で,受講生としては広くいろいろなところから,全国から集まった方々が交流できるメリットもあったのではないかということだったと思います。ありがとうございました。
 1点だけ補足をお願いします。例えば令和2年度以降,特に3年度から受講者が拡大したということなのですが,顕著な属性の変化とか,何かその辺りでお気付きの点がありましたら,まずは少し御紹介いただけませんでしょうか。

【国立教育政策研究所(筒井)】
 やはり申込者数が,今まで行政の方々中心だったものが,令和2年度以降なのですけれども,いわゆる指定管理者も含めて民間の方々が非常に増えているかなと思います。あとこれもごく僅かなのですけれども,受講者の平均年齢が上がっておりまして,御高齢の方が,70歳半ばぐらいの方までが受講されている,そういう状況でございます。

【牧野部会長】
 ありがとうございました。従来の社会教育主事講習とは少し異なる属性を持った方々,多分広がりがあるというふうに理解していいかと思いますが,そういう方々の受講が増えているというお話だったと思います。
 それでは,今の御説明に対しまして御質問等ある方がいらっしゃいましたら,挙手又は名札を立てていただければと思います。お願いいたします。
 よろしいでしょうか。そうしましたら,また後から,今日の議論とも関わってきますので,御発言等いただけたらありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは,議題1に入りたいと思います。前回四つの機関と大学から,社会教育主事講習,そして社会教育士講習,さらには,養成課程の実態について,いろいろ御苦労されているという実態について御報告を受け,今日,国立社会教育実践研究センターからも御報告を受けて,かなりの情報を得ることができたのではないかと考えております。
 その上で,今回からは,社会教育主事講習の在り方とか,それから,社会教育人材のニーズに応じた学習機会の拡大について御議論をお願いしたいと思います。まず,今日の議題1ですけれども,社会教育主事講習の在り方や社会教育人材のニーズに応じた学習機会の拡大についてということで,事務局の方で御準備いただきました資料がありますので,御説明をお願いしたいと思います。その後,委員の皆さんの方から御議論をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは,黄地さん,今日はオンラインで御参加ですけれども,よろしいでしょうか。お願いいたします。

【黄地地域学習推進課長】
 地域学習推進課長の黄地でございます。お手元の資料2を御覧いただければと思います。
 1枚おめくりいただきまして1ページ目に,これまでの議論の内容といたしまして,第1回目の議論では基本的な方向性を確認した上で,第2回目では四つの講習実施機関からヒアリングを行ったところでございます。こういった内容を踏まえまして,今回,社会教育人材の資質・能力の更なる向上と学習機会の拡大につきまして,改めて現状と課題を整理した上で,今後考えられる方策の案を今回御説明させていただければと思います。
 ページをおめくりいただきまして,3ページを御覧いただければと思います。3ページの資料は第1回の部会でも提出したものでございまして,社会教育主事と社会教育士の違いを大まかに整理したものでございます。一番下の箱の欄に書いてございますように,コーディネート能力やプレゼンテーション能力,ファシリテーション能力,こういったものは社会教育主事であっても社会教育士であっても基本的に共通するところではないかなと考えられるところでございます。その上でどういった役割が期待されるかということで,一番下に書いているところでございますけれども,社会教育主事は,多様な分野と社会教育をつなぐ地域全体の学びのオーガナイザーと言えるでしょうと。一方で社会教育士は,社会教育の専門性とつながりをそれぞれの方々の持ち味を生かしながら各分野で生かす学びのオーガナイザーと言えるのではないかということで整理させていただいてございます。
 こういった内容を踏まえまして講習がどうあるべきかということで,次の4ページを御覧いただければと思います。これも第1回目の部会の資料でお配りしたものでございます。特に社会教育主事になるための任用の流れについてということで,養成課程の流れと主事講習の流れがございますが,特に多様な人材に社会教育の世界に入っていただくために,この主事講習の内容はどういったものがよろしいだろうか,あるいはこれを受けるにはどういった形で学習機会の拡大が図られるかというのが今後の検討のポイントになるのではないかなと思われます。
 まず,内容についてでございますが,次の5ページを御覧いただければと思います。こちらは,現在の社会教育主事講習規程の中で定められている科目でございます。こちらは平成30年に改正して,また新たに位置付けたものでございますが,現状,生涯学習概論と生涯学習支援論,社会教育経営論,社会教育演習の四つの科目から成り立ってございまして,主な目的と内容についてはこちらに整理させていただいたところでございます。また,先ほどの社会教育士の在り方,社会教育主事の在り方を踏まえてどうあるべきか,さらに,昨今言われていますデジタル化の流れとか,地域や学校との協働,あるいは一人も取り残さない社会教育の在り方,こういった内容を踏まえて変える必要があるのかないのかというのも検討のポイントになるのではないかなと思われます。
 続きまして,6ページを御覧ください。こちらは現在ある社会教育主事講習,特に資格付与講習の実施の概要を整理したものでございます。現状といたしまして,1番から15番にございますように15の機関で講習を実施していただいております。いずれの機関におきましても,夏ぐらい,あるいは秋から冬といったように期間が決まってございます。これは共通して言えるものでございます。
 また,主な曜日につきましては,例えば前回ヒアリングでございました島根大学,あるいは6番の福井大学のように土日をやっているところもあるのですが,大体の機関におきましては平日で行っているところでございます。また,時間帯については,島根大学は夜間も行っておりますが,ほかの実施機関は全て日中で行っているということでございます。また,実施方法につきましては,コロナの影響もございまして,オンラインと対面を組み合わせてやっているところが多いところでございますが,1番の北海道立生涯学習推進センターのように,この前のヒアリングでもお聞きしましたが,全てオンラインでやっているところも見られるところでございます。また,一番右の定員については,おおむね40名から100名の間であるという状況でございます。
 同様に,次の7ページを御覧いただければと思います。こちらは一部科目指定講習の実施状況でございます。こちらにつきましても,先ほどと同じように,期間は大体決まっている。また,曜日については,土日行っているところもありますが,平日が多い。時間帯は日中がほとんど。実施方法につきましても,オンラインで全てやっているところもある一方で,オンラインと対面を組み合わせて実施しているところもあるといったような状況でございます。
 また,8ページを御覧ください。こちらは受講者数の状況でございます。定員数がやはり限られてしまっている一方で,申込みを希望されている方は定員を上回ってございまして,結果として全ての申込者が受け入れられていないという状況でございまして,講習の実施機関と受講希望者間でのミスマッチが出てきてしまっているという状況でございます。なお,下の箱の中に書いてございますように,オンラインを活用するという中で定員数を増やしている実施機関がある一方で,申込者数もそれに応じて増えているので,結果として全ての受講者が受け入れられていないという状況もございます。特に,人口が多い関東地域では申込みが増えているということでございます。また,丸3にございますように,やはりオンデマンドを取り入れている実施団体,あるいは特色ある取組を行っているところに申込者数が集まる傾向が見られるところでございます。
 続きまして,9ページを御覧いただければと思います。オンラインの活用の状況につきまして各実施機関にアンケート調査を事務局の方で実施いたしました。その調査結果をまとめたのが2ポツでございます。円グラフは実施の状況でございます。全講義をオンライン化しているところは2団体,一部講義をオンライン化しているところは23,オンラインを実施していないところは6ということで回答が返ってきてございます。
 オンライン講義についてどう思うかということで意見を具体的に聞きましたところ,全国的に共通して開講できる講義についてはオンデマンド配信するけれども,演習など特色が出る部分については各大学で実施するなどすみ分けをしてはどうかという御意見もございました。また,オンラインと対面との関係でいうと,全てをオンライン化するのは難しくて,社会教育の特性から見ても対面の相互学習も大事なのではないかという意見がある一方で,三つ目のポツでございますが,受講者の負担軽減を考えるとオンラインの導入は賛成で,コーディネート能力,プレゼンテーション能力,ファシリテーション能力の養成も含めて全科目をオンラインで実施することは可能だという御意見もあったところでございます。
 また,10ページを御覧いただければと思います。デジタル化に向けた全体の動きでございます。まず一つ目が,政府の全体の会議でございますデジタル行政臨時調査会が昨年の6月にデジタル原則に照らした規制の一括見直しプランを発表いたしまして,その中で,国が行う対面講習についてはデジタル化をしっかり推進するという方向性が打ち出されてございます。また,これまでの生涯学習分科会の報告の中でも,デジタル化に向けて取組を進めるべきではないかといったような提言が盛り込まれてございます。また,こういった動きを踏まえまして,本年の3月に地域学習推進課からの通知ということで,各実施機関に対してはデジタル化の進展を踏まえた対応を促す通知を発出しているところでございます。
 続きまして,11ページを御覧ください。11ページは,特色のある社会教育主事講習の例でございます。こちらにつきましては,12ページもそうでございますが,前回の会議で各実施機関から報告いただいた内容を簡潔にまとめてございますので,また後ほど御覧いただければと思います。
 続きまして,13ページを御覧ください。13ページは,社会教育主事講習に関する要望でございます。まず一つが,公益社団法人全国子ども会連合会から文部科学大臣宛てに出された要望書でございます。子ども会の皆様からも社会教育士に対する関心が非常に高いものと認識してございまして,それに向けて是非,社会教育主事講習を受けやすくするようにしてほしいといったような要望を頂いているところでございます。具体的には,特に下線部を引かせていただいてございますが,ICTの活用やウェブ講座など資格を取得するための環境の拡充をお願いしますということでございます。
 また,もう一つの御要望といたしましては,一般財団法人社会通信教育協会から頂いた要望でございます。これは事務局がヒアリングをしたときに聞き取った内容でございますが,生涯学習コーディネーターの資格を持っている方々については,社会教育主事講習の内容と重なっているところも多いので,是非,社会教育主事講習と連携することによってより社会教育の裾野の拡大に寄与するのではないかといった御意見を頂戴しているところでございます。
 今お話の出ました生涯学習コーディネーターにつきましては,次の14ページに概要をまとめさせていただいてございます。これは民間資格でございますが,特に内容といたしましては,右の下に「主な活動場所・内容」と書いてございますが,おおむねこれまで御議論いただいていた社会教育士として活躍が想定される場とかなり重複しているところも多うございます。また,講習の内容についても,現在の社会教育主事講習と重なり合う部分がある場合にはこの辺りをどう考えていくのかということが一つ大きなポイントになるのではなかろうかと考えられるところでございます。
 以上が現状と課題でございまして,これを踏まえました今後の方向性と具体的な方策につきましての案を15ページ以降にまとめさせていただいているところでございます。
 まず16ページは,社会教育主事への任用までのキャリアパスと今後の方向性ということでございます。現状は,まさに社会教育主事講習は社会教育主事になるということが前提になっているところでございますが,今後の在り方といたしまして,これまでも御議論いただきましたように,社会教育人材の裾野の広がりを踏まえた方向性に持っていく必要があるのではなかろうかということでございます。
 一番下に「多様な実務経験」と書いてございますように,教育委員会のみならず,首長部局,学校,地域コミュニティー,民間企業,様々なところでの実務経験を得られている方にも是非社会教育主事講習を受けていただくということが大事ではなかろうかと考えられますので,そのためにはどういった形で受けられるようにすべきかということが検討のポイントになろうかと思います。その上で,現在ある社会教育主事講習は,社会教育士としての経験を積む前提としての必要な内容をどうしていくのかということが2点目でございます。3点目といたしまして,主事講習を受けた方々が社会教育士の専門性に基づいて様々な形で御活躍いただくとともに,必要に応じて研修の機会なども確保すべきではないかということが三つ目のポイントでございます。そうした中で,特にそういった実務経験をしっかり積まれた人の中から社会教育主事としてまた任用されるということが今後望まれる姿の一つではなかろうかと考えられるというところでございます。
 17ページを御覧いただければと思います。17ページは,社会教育士の多様な活躍を踏まえた社会教育主事講習の内容改善の在り方について整理したものでございます。1ポツにございますように,先ほど御説明しましたが,社会教育主事,社会教育士ともに,コーディネート能力,プレゼンテーション能力,ファシリテーション能力,こういったものを発揮することが求められるところでございます。その上で,特に社会教育主事につきましては,行政としての専門的な知見が必要でございます。一方,社会教育士には,それぞれの活躍の場における専門的な知見が必要であるところでございます。いずれにせよ,社会教育人材をハブにした人づくり,つながりづくり,地域づくりの実現という観点から見れば,お互いの連携が極めて大事ではないかということでございます。特にこういった方向性に加えて,昨今のデジタル化の進展など知見のアップデートも重要であるということが一つ背景として言えるのではないかなと。
 こういった点を踏まえて,具体的な方向性としましては,前回のヒアリングでも実施機関から様々な取組を行っているお話を聞かせていただいたところでございますが,今後としては,先ほど申し上げましたキャリアパスの方向性とか,また,今後の社会教育の裾野の広がりによって,首長部局とか民間企業からの受講の希望者の増加も今後考えられるところでございますので,各講習実施機関における多様な講習の展開をより促していくことが必要ではないだろうかということでございます。一方で,多様な講習を促すだけではなくて,やはりネットワークをしっかり形づくることによって,こういった特色や工夫を共有する仕組みの構築も併せて必要ではなかろうかと考えられるところでございます。また,具体的な内容につきましては,こういった各講習の実施機関の取組を踏まえながら,さらに受講者のニーズに応じて,あるいは社会の進展のニーズに応じて内容の改善に向けた取組の検討を引き続き行うことが大事だと考えられるところでございます。
 続きまして,18ページを御覧ください。18ページは,受講上の課題に対する方向性をまとめたものでございます。まず,1ポツの背景でございます。先ほど現状を御説明しましたように,現状の定員では教育委員会の職員の方以外の受講が制限される場合が出てきているという状況がございます。
 また,二つ目の課題としては,社会教育主事講習の多くが平日昼間,対面で実施されているところもございますので,特に,教育委員会の職員の方であってもなかなかハードルが高い場合もございますし,さらには,裾野の広がりが期待される民間企業あるいは団体の皆様が受けるにはなかなかハードルが高いという状況でございます。
 3点目が受講要件の問題でございます。これまでの経験や知見が受講や社会教育士の称号取得に反映されにくいのではないかといういうことで,例えばPTA,子ども会,青少年団体の方も様々な実務経験がございますが,具体的にどういった経験であれば講習を受けることができるのかといったような取扱いが不明確であったり,また,海外大学の卒業者の取扱いが受講要件上明確になってございませんので,この辺りの明確化が課題でございます。また,先ほど生涯学習コーディネーターのお話をさせていただきましたが,こういった民間の資格の取得も講習で評価してほしいという声もございます。またさらには,第1回目の会議で御意見を頂きましたが,社会教育主事としてこれまで経験している場合には,講習を受講せずとも社会教育士の称号を取得できるようにできないかといったような声もございました。
 こういった課題を踏まえて具体的にどうあるべきかということで,次の19ページ以降に方向性を整理させていただいてございます。一つが,一部科目指定講習の仕組みを全科目に広げることによって,特色ある講習の開設を促進したらどうかということでございます。現状は,一部科目指定講習は生涯学習支援論と社会教育経営論の2科目を開設していただくことによって,それが委嘱の対象になっているところでございますが,多様な講習を実現するという観点から言えば,大学の判断によって1科目から4科目までの開講も可能としてはどうかということが1点目でございます。
 また,こうした委嘱に当たっては,様々な方が受けやすいように,オンライン化や夜間・休日中心の講座の開講など,受講しやすい環境整備の促進にも配慮したらどうかということでございます。
 また,さらには,受講者の負担軽減に向けて,複数年にわたる分割履修,例えば1年で全て2科目を取り切る,4科目を取り切るというのではなくて,ある年は1科目,次の年は1科目,2年間で一つの一部科目指定講習をクリアするとか,こういった分割履修に向けた体制整備,あるいは複数大学間で連携・協力した講習の実施,先ほど17ページでも御説明しましたけれども,ネットワークみたいなものを構築して,そういったネットワークを活用して大学間の連携・協力を図る体制を整備してはどうかということでございます。
 もう一つの点が,多様な講習の展開が経費面でも可能になりますように,現在,国の予算を使って講習を実施しているところもございますが,一方で一部科目指定講習の場合は現在も受講料の徴収ができるようになってございますので,引き続き受講料の徴収ができるような運用を可能としてはどうかということでございます。これも大学の判断によるかと思われます。
 またさらには,現在,実施機関は15機関ございますが,一方で定員の拡大とか裾野の広がりを踏まえますと,新しく新規で入ってくる実施機関も想定されるところでございます。ただ,その場合には一定の初期投資が必要ではないかという意見もございますので,委嘱の期間については,国の予算を受けない講習については最大で5年間としてはどうかという案でございます。
 また,次の論点でございます。20ページを御覧ください。社会教育に関する経験や知見に関する受講要件の明確化や周知についてでございます。まず,受講要件につきましては,先ほど課題で御説明しましたように,PTAや子ども会,青少年団体等で一定の知見,実務経験がある方々については,どういった実務経験であれば受講資格が得られるのかといった内容についてもう少し明確化を図ったらどうかということでございます。
 もう一つが,生涯学習コーディネーターをはじめとした民間資格における科目代替でございます。こういった民間資格の中には,先ほども少し触れましたが,社会教育主事講習の目的や内容等との共通性を勘案しまして,一定の基準を満たす場合には講習実施機関において講習の該当科目の単位認定を行うことができるようにしてはどうかといった方向性でございます。こうしたことによって,様々な実務経験者の講習の受講が促進されることが期待されますし,また,これまでの実務経験が評価されることによって負担軽減も図られると。こういった中で,様々な場面における活躍の促進も期待されるのではないかということでございます。
 最後の論点でございますが,社会教育士の認定制度の創設ということです。これは飽くまで仮称ということで,旧課程によって社会教育主事資格を取得された方々につきましても,一定の条件を満たす場合には社会教育士の称号を付与することを検討できないかということで,この点については更なる検討をしてまいりたいと考えているところでございます。
 最後に,21ページでございます。先ほどお話をさせていただきました生涯学習コーディネーターをはじめとした民間資格における科目代替の基本的な考え方についてでございます。これは大学の単位制度の考え方にのっとって,例えばの案として,科目代替を認める基準として,丸1にありますように,代替する科目と民間資格の目的や内容について整合性があるかとか,内容については共通する部分があるかということをまず確認した上で,丸2にございますように,単位数に応じた必要な学修量が担保されているのかどうか。また,その上で丸3にありますように学修成果がきちんと評価されるものであるか,また,丸4として,こういった民間の団体の場合に,その主体の健全性は運営の適正性に問題ないかという点を見た上で,また,相当するものについては講習を代替するということが考えられるのではないかということで,この辺りにつきましてはまた更に検討を深めてまいりたいと考えてございます。
 22ページ以降は参考資料でございますので,適宜お目通しいただければと思います。
 説明は以上でございます。

【牧野部会長】
 黄地さん,どうもありがとうございました。
 ただいまのご説明に関しまして,また後ほど少し質問や御意見等を頂きたいと思いますけれども,座長としまして確認をしていただきたいことがあります。
 例えば3ページですけれども,社会教育主事と社会教育士の役割や活動についてというところがあります。この部会の議論で,初回の議論でも,社会教育主事と社会教育士を別々のものとして捉えようとするというような御発言もあったかと思いますけれども,今のところですが,社会教育主事が国家資格であって,主事任用資格が取れるということです。発令されると主事になれるということになっているわけです。それに対して,主事任用は発令をされないけれども,主事の専門性を持って社会教育の活動に従事する方々に称号を授与するということで社会教育士という称号をつくったという形になります。
 その下の方に,二つとも,学びのオーガナイザーと書かれておりますけれども,社会教育主事が,多様な分野と社会教育の行政とをつないでいく,地域全体の,又は自治体における様々な分野を社会教育行政の観点から結び付けていく学びのオーガナイザーであるとされています。さらに,こちらの社会教育士の方々は,どちらかというと行政内部ということよりは,むしろ実践の場において専門性とつながりを生かしていく,そして,地域で様々な実践を展開していく学びのオーガナイザーであるという位置付けになっているということなのです。
 この学びのオーガナイザーという議論は,実は2017年にこの案を出してきました,少し長い名称なのですけれども,「学びを通じた地域づくりの推進に関する調査研究協力者会議」の「論点整理」で提出されたのですが,ここでやはり大きな問題なっていましたのは,現在もそうなのですが,少子高齢化・人口減少ということの中で,又は経済構造が変わっていく中で,地域社会がある意味で疲弊をし始めている。そして,それをどういう形で下支えしながら,住民自治を基本にした形での新しい社会基盤をつくるのかが議論となりました。その過程で出てきた論点が,社会教育人材をどのように育成をし,位置付け直すかということだったということなのです。その中で,社会教育主事を残しながら,新しい活躍ができる方々の在り方として社会教育士の称号を授与し,それを学びのオーガナイザーと位置付けようということになったということなのです。
 さらに,実は今から25年前になりますけれども,当時の生涯学習審議会の答申で「社会の変化に対応した今後の社会教育行政の在り方について」というものが出されておりますが,そこで新しい社会教育行政のネットワーク化という議論が出ています。そこでは,社会教育は,従来の教育行政の中にあって,学校教育と家庭教育支援と社会教育という三つの,三分法と言われるような形で社会教育行政を構成していたのですけれども,社会の状況を反映して,むしろ社会教育の在り方を拡張して,例えば厚労行政とか総務行政,それから,国交行政とか,さらには,同じ文科省内での高等教育局とか,さらには,経産省が持っているような教育産業のところとも連携・協働が出来たり,さらには支援をするという形で足を延ばしていって,社会基盤を整備していく,それをさらに学校教育や家庭教育と連携を取る形で結びつけて,全体として生涯学習振興行政という形で展開できないかという答申が出ております。
 それのときには,実は担い手論がはっきりしていなかったということもあるわけですけれども,今回のこの社会教育主事の議論というのは,教育行政の内部にあって社会教育とほかの行政領域をうまくコーディネートしていきながら地域全体の在り方を整えていくという役割と,さらに,現場にありながら社会教育行政のことを理解している社会教育士が教育行政やほかの行政と連携を取りながら社会基盤を形成していくということが可能になるような制度整備になってきているのではないかとも思います。
 その意味で,これは二つの別々のものではなくて,むしろ社会教育のネットワーク化といったことを基盤にしながら,以前の中教審の生涯学習分科会でも出ましたけれども,社会教育を通じた人づくり,それから,つながりづくり,地域づくりという,新しい自治をベースにした社会基盤を形成していくということの在り方が人材論としてここに集約してきているのではないかとも思います。そのことを念頭に置いていただいた上で御議論いただければと思っております。
 今の黄地さんの御説明は,それを基にして,現在の状況がどうであるのか,さらに,新しい事態への対応として,オンライン化の中でどのような工夫がなされてきているのかといったこと,そして,今後どのような形で社会教育士,社会教育主事の養成を展開していったらよいのかといったことについて,様々なヒアリング等を通してまとめられたものを今日お出しになっていると思います。そうしたことも踏まえていただいた上で,これから御議論をお願いできればと思いますので,よろしくお願いいたします。
 それでは最初に,今のこの資料2に関しまして御質問がある方いらっしゃいましたら,挙手又はネームプレートをお立ていただけますでしょうか。お願いいたします。
 よろしいですか。私がまくし立てたので,少し発言しにくくなりましたか。すみません。
 よろしいでしょうか。そうしましたら,質問も込みで,以下御議論いただきたいと思います。では,以下,なかなか切り分けが難しいかもしれませんが,先ほどの資料21ページ,表紙をめくっていただいて1ページに今回御議論いただきたいことと書かれてあります。そこに,社会教育人材の資質・能力の更なる向上ということと,さらには,社会教育人材のニーズに応じた学習機会の拡大ということが書かれてあります。議論の進行上,一つずつ議論をできればと思います。切り分けが難しいところは,またまとめて御議論いただければと思いますが,まずは社会教育人材の資質・能力の更なる向上という点につきまして,今日の資料ですと例えば16ページ,17ページ等を参照していただいて,御議論いただければと思います。いかがでしょうか。どうぞ御自由に,挙手又はネームプレートをお立ていただければと思います。
 では,井上さん,お願いいたします。

【井上委員】
 井上でございます。よろしくお願いいたします。社会教育主事講習を実際に企画したり,また,社会教育行政に長くいるという立場,また,新カリキュラムを改定するに当たって携わったという立場でお話ししたいと思います。
 今,牧野先生の方からお話あったように,社会教育主事と社会教育士は,私,端的に言うと,社会教育主事は間接支援,社会教育士は直接支援という役割で切り分けられると思います。その場合に重要なのは,社会教育主事は教育的専門職員ということです。それはどういうことかというと,やはり地域の状況を踏まえて,ネットワークを含めた行政計画をきちんと教育的な視点から策定して,また,施策を立案しながら事業を立ち上げ評価して実施していくという,これらのスキルが社会教育行政職員の売りであり,これを社会教育主事講習で学ぶことで,ほかの部局の職員からも一目置かれるような行政職員のスキルとなってきたと思います。
 これを身に付けるために社会教育主事講習があったと思うのですけれども,それによって,いろいろな受講の条件とかそういうものがあったと思います。ただ現在,各機関で行われている講習内容とかを見ると,そのようなものがきちんと取り上げられているかどうか。どちらかというと現場の実践中心で,事例研究等を通して現場での切り盛りの仕方を学ぶ内容に少し偏っているような気もいたします。この背景として,社会教育主事の役割そのものが直接支援,現場を切り盛りするのが社会教育主事だというようなことが論調としてもあったのかもしれませんけれども,そうではなくて,やはり高所から計画を立てて,自治体全体の施策を展開していくということが社会教育主事の大きな役割だと思います。
 そのような形で今,新しいカリキュラムもナショナルスタンダードという形でつくられてはあるのですけれども,これをつくったときには,カリキュラムマップをきちんとつくって,求められる資質・能力や技術を全部洗い出してつくったわけなのですが,運用上それがきちんと学ばれているかどうかというところが今大きな問題になっているかと思います。そこに,コロナ禍を契機として,リモートの学習の進展とあいまって,本来対面でないと身に付くのが難しいものも少し欠如しているというような状況になっていると思います。
 このような状況が続くと,裾野を広げるということはよく分かるのですけれども,やはり社会教育行政職員としての資質が,主事講習を受けたからといってその向上が期待されるものではないということであれば,ますます発令率は低下していくと思います。いくら社会教育主事講習を受けても施策の企画・立案が十分に身につかない講習内容では意味がないと思います。なので,裾野を広げるという時点は重々分かるのですけれども,しっかりとした資質,スキルを持った社会教育主事の育成という点も忘れてはいけないと思います。
 今,事務局の方からお話あったように,主事講習を受けた人が発令前提の場合にはスキルアップのものをという話があったと思うのですが,そのような手立てで専門性を担保するようなことをやっていかないと,本来の社会教育主事にならなくなってしまうのではないかなと思います。そこで,そのような研修を例えば社会教育実践研究センターで実施するとか,若しくは大学とか,あとは自治体でもいいと思うのです。都道府県の生涯学習推進センターなどで実施することも一つの方法かと思います。
 何より,新カリキュラムに移行したときに,社会教育特講はOJTとか自治体の研修等に委ねるというようなことがあったと記憶しているのですけれども,それと重ねて,やはり専門性を身に付けるようなスキルアップ研修というものを位置付けていかないと,社会教育士と社会教育主事の学修目標は違うと思いますし,そこのところが課題として内在しているのだということをやはり共通認識した上でこれからの在り方を考えていただく方がよろしいかなと思います。
 長くなりましたが,以上です。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。社会教育士の称号が授与されることになった,それから,カリキュラムの一部改定があったことに伴って,どちらかというと,今の主事講習の在り方が,社会教育士としての在り方,そうしたものの特に現場での実践に傾いてきているのではないかと。その意味では教育行政職員としての社会教育主事としての資質が十分に育成されるようなものになっているのかどうかということが問われるのではないかという御指摘だと思います。
 それに対して,例えば16ページで提示がされておりますけれども,今後の在り方として,養成課程とか,それから,社会教育主事講習に関しましては,ある種基礎的な育成をしていった上で,更に専門性に基づいた,より充実した多様な実務経験とか研修を重ねていって,そして,行政職員として,特に社会教育の行政の専門職としての資質に足るような方々を社会教育主事として任用していくということにつながる,そのときの研修とかそうしたものの在り方も今後きっちりと検討すべきではないかという御趣旨だったと思います。どうもありがとうございます。
 では,大村さん,お願いします。

【大村委員】
 今の井上さんの御発言とかなり同感の部分があります。先ほどの資料の3ページで社会教育主事と社会教育士の比較をしていますけれども,社会教育士はこれでいいかと思うのですが,社会教育主事が,一番下のところが,多様な分野と社会教育(行政)をつなぐ地域全体の学びのオーガナイザーというのは,これは少しイメージしにくいのではないかと思っています。この場合のオーガナイザー,組織者というのは,何をどう組織していくのかというのがと分かりにくいのではないかと。

 先ほど井上さんは間接支援と直接支援という言い方をされて,私も社会教育士は社会教育の実践に直接関わる役割だと思っていて,社会教育主事はその環境を醸成する役割だと,そういった区別がやはり必要だと思っています。その意味で,1回目のときにも少しお話ししましたが,教育行政職としてやはりきちんと位置付けられなければいけないし,教育行政職の中の学校教育と社会教育があるのだ,その社会教育を担当するのだという位置付けをもう一度し直す必要があるのじゃないかと思っています。そのためには,任用において,数年で交代するようなことでは不十分で,やはり10年とかそういった長いスパンをもって専門職として育っていくということを是非推奨していただきたいと思っています。
 特に教育行政職として求められる力量ということでいくと,今の政策的な課題として,既にここに書かれているような社会教育計画の問題もありますけれども,コミュニティ・スクールと地域学校協働をどう進めていくかということについてやはり役割を果たすべきだと思っています。地域側の統括的な推進ももちろん必要なのですけれども,行政側の統括的な地域学校協働活動推進員としての役割を持ってほしい。そして,特に行政側という点では,各学校,地域の取組におけるリサーチの部分,ニーズをきちんと把握するとか,あるいは実践を評価する。それは外からの評価ではなくて,参加型の評価がそれぞれの学校,地域学校協働で行われていく必要があると思っていて,その評価のファシリテーターができるということがやはり必要なのではないか。そこの支援がやはり決定的に今欠けていて,どうもコミュニティ・スクール,地域学校協働のより活性化を促すための行政的な支援が求められていると思っています。
 それともう一つは,義務教育確保法との関係で,夜間中学校の設置ないしはその学習支援ですね。私が関わっている愛知県でも,中学校卒業後の高校卒業認定試験の学習支援を県内9か所で今進めているのですけれども,そこでもやはり不登校であったり,あるいは難病等で学校に通えなかったり,あるいは外国にルーツのある子供たちがたくさん今集まってきているのです。こうした義務教育確保のための地域的なニーズ調査も,これも専門的な力量が必要で,こうした役割はやはり社会教育主事,教育行政職員の特に社会教育を担当する者が身に付けてほしいと,そういう意見を持っています。
 もう一方,ただし,社会教育士との関係でいくと,養成課程や講習の中で直接支援のための力量形成が必要ないかというと,そうではないと思っていまして,実際,直接支援の内容を理解していなければ,そうした間接支援はできないだろうと。ですから,これも先回少しお話をした,例えば社会教育実習,あるいは講習の中でも現場体験があると思うのですが,そういったことが講習の中でも位置付けられていく必要があるのではないかと思っています。
 以上です。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。教育行政職員として社会教育主事をどう位置付けるのかという観点がどうしても必要ではないかというお話だったと思います。特に現在展開されているコミュニティ・スクールにおける社会教育主事又はいわゆる地域学校協働の専門職としての役割とか,さらには,夜間中学校等,いわゆる学びの機会をどう保障するかといったことに関して,もう少しやはりきっちりと社会教育的な観点から行政的な職員としての役割が果たせるようなそういう力を育成すべきではないか。ただし,そうはいっても,間接支援とはいっても,社会教育士として活躍する人々は,いわゆる実践現場における知見や経験をきっちりと身に付けておくべきではないかという御発言だったと思います。どうもありがとうございました。
 それでは,塩田さん,お願いできますでしょうか。

【塩田委員】
 社会教育人材の資質・能力の更なる向上ということで,民間企業の立場というか,私どもの立場で言わせていただきますと,組織と組織をつなぐコーディネート能力とか,プレゼンテーション能力,そして,ファシリテーション能力を持った人材を企業としても輩出していきたい。輩出することで地域の役に立っていく。これがこれから先企業が存続していくために必要なものだという思いでいます。こうした考え方は,多分うちの会社だけではなくて,やはり健康とか地域活性化とか環境問題というのはどこの会社も目指すべき方向,どういうところに社会的価値を創出していくかということは大体共通しているワードです。
 そういう中で,今回,社会教育主事研修を受ける方が増加しているということは,そういうものに対する日本全体の関心が高まってきていることの証左だと思います。そういう意味であれば,社会教育士として必要な資質を持ちたいと思う人がどれだけ増えるかということと,持ちたいと思っている人にどれだけその称号を与えられるかというのが,恐らく私たちが実現していきたい生涯教育や社会教育の世界の実現に直結する一番の近道ではないかと考えます。
 そういった中で,まずは,社会教育士の学修をした人,その称号を持つ人をどれだけ増やしていくかというところにまず力点を置いていただいて,そういった方々のネットワークをつくっていくということが,まさに資質や能力を引き上げていく要素になると思います。といいますのは,こういったコーディネート能力とかプレゼンテーション能力とかファシリテーション能力というのは,一度勉強して身に付けたら終わりということではなくて,時代の変化に応じて磨かれていくものだと思いますし,また,実践を通して自分自身がやってみること,やってみたことを共有すること,こういう中でその時代時代に合った能力を醸成していくことになると思います。
 そういう意味では,できるだけ多くの社会教育士を生み出して,それをきっちりと緊密なネットワークにして,そのネットワークの中心に位置する人,地域の中心に位置する人を社会教育主事に担ってもらう。網の目をつくっていくというところを理想形にしてやっていただきますと,社会教育士になりたいという人のニーズ,それを生かして人の役に立ちたい,ひいては仕事の役にも立ちたいという人のニーズに応えることになると思いますし,また社会教育主事は自分一人ではできないことも,そのネットワークを使って大きな社会課題に対する解決を図っていけるという強みを持つ,リーダーシップを発揮できるポジションという役割が担えるようになると思いますので,そういった視点から制度構成も議論していただければと思っております。よろしくお願いします。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。企業のお立場からですけれども,社会教育士に関心を持つような企業とか,さらには従業員の方々が増えてくる,それそのものがやはり企業の在り方が変わってきたということでもありますし,社会の在り方が変わってきたということではないか。さらに,講習とか養成課程だけで専門性が養われるかというとそうではなくて,むしろ,基本的なことを学んだ上で,実践を繰り返していく。さらには,ネットワークの中でお互いに学び合うことによって,その専門性はどんどん高まっていく,又は変わっていく,変化をしていくというか,そんなことがあるのではないかと。その意味では,数を増やしながらネットワーク化を進めて,研修の制度等も整備をしていく,そんなことが大事ではないかという御指摘だったと思います。どうもありがとうございます。
 続きまして,関さんと山本さんにお願いしたいのですけれども,一言私の方から発言させてください。教育行政の専門職という議論があるわけですけれども,教育行政,特に社会教育行政とは一体何であるのか,また,いわゆる教育委員会の行政という形で受け止めておくだけでよいのかという議論も当然あるかと思うのですが,その辺りで御経験のあるお二人から少しそれも交えて御発言いただければと思いますけれども,いかがでしょうか。

【関委員】
 今のお話に流れをつながせてもらえたらと思うのですが,私が社会教育主事になったのは20代でした。主事講習を受けて,その後すぐ社会教育主事発令を受けましたけれども,今振り返ってみると,出発点に立てる必要条件を学ばせていただいた場が社会教育主事講習であったなと思っています。社会教育主事として行政の中でいろいろな仕事を重ねていく中で徐々に社会教育主事になる階段を上っていった,それが自分の経験ではなかったかなというふうに振り返ります。
 社会教育主事としての講習で学ぶべき内容と社会教育士として活躍するために必要な能力とは若干違うという気がします。その辺は精査していくべきではないかと思っております。その学ぶべき内容として特に思うのは,今の牧野さんの話と直接つながるかどうか分からないですけれども,社会教育の哲学というか,そういう理念的なものをきちんと語れる人材になるための学び,それこそが必要ではないかなと私は考えます。そのためには,社会教育の歴史,戦後の80年近い歴史の中でいろいろなもの同士がぶつかりあいながら克服してきた,それらをきちんとみんながつかむような学びがあってもいいのではないかなと思っております。学びの内容が単なるテクニック的なものに終わるのではなくて,その中にきちんとした芯が通るような,そういう学びの方向性も検討していいのではないかなと思っております。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。御自身の経験からも,社会教育主事は講習を受けてそこでなるわけではなくて,その後の様々な経験を通して主事になっていくのだということ,さらに,社会教育のこういう議論で大事なことは,社会教育の哲学のようなものがきちんと語れるような人といいますか,そういう人材になっていくといったことが基本になるのではないかという話だったと思います。どうもありがとうございます。
 山本さん,では,お願いできますでしょうか。

【山本委員】
 東神楽町長の山本でございます。今までいろいろとお話を聞かせていただきながら,私どももどうなのかなと思っています。まず自治体の首長サイドの考えでいうと,執行機関の中で自治体全体のガバナンスをするのは,基本的に首長がリーダーシップを取って,調整権を使いながら,あるいは議会との対応も含めてガバナンスをしていくというのがある。そうした中で,社会教育は教育委員会の中に組み込まれているから首長部局ではないということにはなるのですが,だからといって,首長がコミットしないということではなくて,現実的に今の社会的なニーズからいうと,やはり社会教育に対する期待感が高まっている。それから,例えば社会福祉とか社会的包摂の問題もありますが,様々な部分で社会教育をベースとしながら活動することが,地域の活性化にとっていいことなのではないかというふうになってきているので,その意味でいうと,ここはやはり教育委員会の部分だけしか考えないということではないのではないかなというふうな思いを持っています。
 僕らも,資格,今,実は私どもの中で例えば社会教育主事講習を受けさせようというのは,ある種,職員の教育というか研修の一環でもあると思っています。実際,今回3ページに書かれているようなコーディネート能力とかプレゼンテーション能力とかファシリテーション能力というのは,まさに自治体職員の中で必須の能力であって,これを社会教育主事が勉強することが,本人にとっても,あるいは地域にとっても自治体にとってもいいことだと思うので,そこは取り組んでいただければというふうな期待感というのは非常にあると思っています。
 今までの自治体の歴史というかあれですけれども,地方分権の中でいうと,必置規制とか,あるいはそういったことがあると,結局,自治体の首長は,そんな必置規制があるものは面倒くさいからやめてしまえとかということで,例えば公民館がどんどん減っていったりとかというような現象が出てきたりするわけですので,やはりそれをもっと取り込みながらできるような,社会教育主事がもっと広い範囲で地域の中で必要なのだ,ニーズがあるのだということを確認できるような資格であるようであればいいなと。それが社会教育士,発令を受けて社会教育主事というような分け方はいいですけれども,やはりそういう学びがあったらいいのになというふうには期待をしております。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。自治体の長としてのお立場から,特に社会教育士が地域で様々に活躍をされること,さらには行政職員の中にも,同じように社会教育士的な力をきっちり持った職員が必要になってきている。そして,地域から必要だと言われることが,社会教育士,さらには社会教育主事を増やしていくことにつながるのではないか。それがさらに,地域づくりに関わっていく,新しい地域を創り出していくことに展開していく,そういうことにつながるのではないかという話だったと思います。どうもありがとうございます。
 今いろいろ意見を頂いておりますけれども,野津さん,いかがでしょうか。島根県が社会教育主事の派遣をきっちりと保障していらっしゃっていて,しかも一つの自治体は教育長さんが主事でもあるということで,全市町村に配置をされているということなのですが,社会教育主事又は社会教育士のような方々と,それから,特に地域づくりとかまちづくりとか,さらにはいわゆるコミュニティ・スクールの展開といったことに関わって,島根県ではどんな展開がなされているのか,少し御紹介いただけますでしょうか。

【野津委員】
 島根県の野津です。市町村教育委員会に,教員籍の,いわゆる教員ですが,主に小学校が多いのですけれども,小学校・中学校の教員で社会教育主事を,これを県から派遣していると。もう一つ,派遣した数と同じ数以上は,市町村職員,行政職員,プロパーで社会教育主事を配置してくれと,これが条件であります。もちろんおるのですけれども,そのペアで,場合によっては複数いますので,そういったところが今,主に大きく二つ役割があります。
 一つは,学校に入ることです。今,コミュニティ・スクールって僕は使わないことにしているので分かりませんが,地域との協働ですね。地域の方にふるさと教育とか,あるいはいろいろなお手伝いをしていただく,子供の教育に参加していただくということ。もう1個は,いずれ周りに子供がいなくなる社会を皆さんも経験するとは思われますけれども,子供がいない社会って,大人はものすごく不安なのですね。やはり世代を紡ぐという人間の本能がありますから。これができる場所が学校なのです。学校へ参加するようになる。そういったときの学校からのアプローチ,地域へのアプローチと,地域からの学校へのアプローチ,これが市町村の教員籍と事務職,要は,地域密着の事務職,これといわゆる学校問題が分かる教員がペアでやることで,学校と地域の連携がうまくいくのです。無駄なハードルがなくなる。大したハードルではないのですけれども,やはり学校というのは難しいところで,頭の固い教員というか校長もいるので,そういったときに,いかに必要なのか,どういうことをすれば最も効果が上がるのかということをやはり双方が連携して地域と取り入れる。これが一つ大きな役割であります。
 もう一つは,地域課題解決。集落が滅びようとしている。いわゆる限界集落と言われましたが,そんなものがたくさんありますので,生活機能が特になくなっていく。一番分かりやすいのがガソリンスタンドですね。我々,車社会なのですけれども,ガソリンスタンドもなくなっていく。商店がない。病院がない。歯医者がない。そういったものを地域で,集落だけではもちませんから,公民館単位で何とか話し合ってみんなで守っていこうと。公民館単位でももうやれないので,複数の公民館単位で,あんたのところはこの機能を残して,うちはこういう機能を残そうということで,全体としてセーフティーネットを張っていく,こういった話合いをしているわけです。これを我々は小さな拠点づくり。国の小さな拠点づくりとは若干違う,もっとシビアなものでありますけれども,そういったことをする話合いを地域で,話合いをまず集落でやる。公民館単位でやる。基本,今,公民館単位でやっていますけれども,それが平成の合併前の旧市町村単位,主に町村ですけれども,旧町村単位で話合いをやっていく。
 こういったときのコーディネーターが,市町村に配置された行政職,教員職の両方の社会教育主事,これが大きな役割を果たしています。話合いに夜行って,みんなで話合いを引き出す,そういった役割。これは行政職とか教員とか余り関係ない話で,得手不得手の問題であって,両方が協力してやっている。その話合いの中に,民間のNPOとか地域リーダーの方が社会教育士を取っている,取り始めていて,いい話し合い,より効果的な話合いにするために地域の人もこういった称号を取り始めている。これが社会教育主事と社会教育士の出の違いであります。
 もちろんそれは最終的には地域が決定することなので,行政は引き出すところで,社会教育士のような地域リーダーが最後は話し合って意見をまとめて,じゃ,こうしよう,地域をこう引っ張っていこうと。こういった,まさに社会教育計画とか何かではなく,地域づくりなのです。生き残りを賭けたところに社会教育をやった方がそこに参画する。参画をするようにしているのは行政です。誰かが頭を取るとか,話合いをうまく引き出すとか,まとめるとかという力はやはり必要ですので,そういったことにたけた人たちがしっかりそういうところに必ず行く。
 だから,これは我々でいうと知事部局,市町村長部局,市長部局の意図なのです。なので,うちの県の最上位計画には社会教育が大事だと書いてある。それは活躍の場が用意されている,教育界以外に用意されているということで,それはやはり教育も大きな柱。先ほど言いました学校中心,子供を通した大きな場面,次世代を育てるという意味の大きな場面と,地域を守るという現実的な危機に対する対応ということで,こういった危機があるところは社会教育が残るのか復活するのか分かりませんけれども,働く場面があるのです。皆さんの議論を聞いていると余りそういった場面がなさそうな,どう使うのだみたいなところはあるかもしれませんけれども,企業活動としてやるという場面が私のところは余りないので,そうではなくて,地域活動と学校活動,これでやっていく。なので,演習とかの場面はたくさんあります。
 もう一つ,行政が頭を取っているので,ちゃんと社会教育士も含めた研修会は県の方でやっています。去年やったときは5か所で教育事務所ごとにやって,社会教育主事と社会教育士の方,みんなに声を掛けて集まってもらって,去年は5か所で,全部で192人集まってくれました。それまでは,社会教育士ができるまで社会教育主事だけの講習,経験者の講習を年に3回やっていまして,私も飲み会には出るようにしていましたけれども,今もそういった,社会教育士を交えてやって,しっかりフォローしていく。研修していく。もう1個は,来週から島根の社会教育士ネットワークが稼働することになっていまして,島根県だけですけれども,ネットワークをしっかりやって,お互いの事例交換とか勉強会をして一緒にやっていきましょうというようなことをやる,こういう状況でございます。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。地域の次世代の育成と,それから,地域の維持,つまり持続可能性を高めていくこと,そこに社会教育が深く関わっていて,そして,行政がコーディネートしながら人材を配置し,さらに現場では社会教育士のような方々がきっちりと活動をして学校と地域を結び付けている。そして,地域の存続を賭けた様々な取組を展開している。その過程で子供が育っていくような,いわゆるいい循環ができるのではないか。そこにおける教育行政の役割といったものがあるのだという御発言だったと思います。どうもありがとうございます。
 次に,オブザーバーとして参加されている志々田さんに御発言をお願いできますでしょうか。

【国立教育政策研究所(志々田)】
 ありがとうございます。オブザーバーとして参加させていただいていますので,発言の機会を頂きましてありがとうございます。国立教育政策研究所の志々田と申します。
 今ずっとお話を聞いていますと,もうこれだけ社会教育主事を求められるニーズが多様化していて,そして,多様な方たちが手を挙げてなりたいと言ってくださっている中で,社会教育主事講習という限られた時間での講習の内容が,全国一律,それから,内容も全部一律でうまくやっていけるはずはないなというのはずっと思っています。つまり,特色ある講習化をもっと促進することによって,多様な資格とか多様なニーズに応えていく社会教育主事講習が実現できるのかなというふうなことを思っています。
 私自身も,北海道の道立の生涯学習センターがやっておられる社会教育主事講習や,それから,島根大学がやっておられる社会教育主事講習,それから,もちろん本研究所がやっている社会教育主事講習,いろいろな方たちとしっかりお話をさせていただく中で,やはり北海道だからこそこういう社会教育主事,社会教育士が欲しいからこういう内容でうちは講習を組んでいるのだ,島根大学の社会教育士講習と胸を張っておっしゃっている講習にはそれなりのポリシーがあって,やはりしっかりと話し合われているということが重要であるかと。つまり,社会教育主事を欲しいと言っているそれぞれの都道府県教育委員会が,自らコンセプトも出し,自ら人員も出し,大学と連携しながら,専門機関と連携しながら,自分たちに必要な社会教育主事講習をつくり上げているというこの実績は,すごく大きなことかなと思っています。
 そして,今回のこの会議の中でもたくさんの大学のそれぞれの特色ある思いを聞かせていただいたときに,やはり私は,大体スタンダードでは一緒だけれど,うちの講習は社会教育士向けだよとか,うちの講習はやはり教育行政で働いてくれる社会教育主事を養成する講習なのだよというふうにして,それぞれのポリシーを明確にしながら,社会教育主事講習を構成していってもいいのではないかと。つまり,全国一律どちらにも役に立つものをつくるのではなくて,ある意味でスタンダードは踏まえながらも,ある程度のぶれというか振れる範囲はあっていいのではないかなと思って聞いていました。
 そのことは,この後の後半のところのお話合いでも入ってくると思うのですが,これだけデジタル化が進み,様々な形での講習や学びの在り方ということが多くの人たちにとって気軽に,若しくは大変かもしれないけれど選択肢として入ってきた時代にせっかく突入しているので,そうした開設の仕方や主体だとかそういうものも割と選択できるように,メニューを増やしていくような形でいろいろな社会教育主事講習が出てくることをよしとしなければならないのかなと思ってずっとお話を聞いていました。
 以上,私からの意見です。

【牧野部会長】
 どうもございました。今の志々田さんの御発言は次の議論に関わってくると思いますけれども,様々なニーズが出てきていて,様々な方が社会教育士の称号を取りたいと言ってこられている。しかもそれが専門職称号であるといったことも含めて,やはり多様な講習の在り方を考える必要があるのではないかと。そして,ここの議論では社会教育主事講習であって,そして,主事にならなくて活動される方々に称号を出すということになっているのだけれども,社会教育士向けの講習とか社会教育主事向けの講習とか,そういうこともあってもよいのではないかという御議論だと思います。
 そこで,次の社会教育人材のニーズに応じた社会教育機関の拡大というところにも議論を進めたいと思います。そこでやはりきっちりと私たちが議論しなければいけないのは,教育行政とは一体何であるのかといったことが,今どんどんいろいろなところから様々にアプローチが掛かる中であやふやになってきている面はないだろうか。例えば学校教育そのものも,今,経産省がやっている「未来の教室」事業の中で,企業と連携を取ったりとかいろいろなことが起こってくるわけです。さらには,総合教育会議を通して,一般行政と連携を取りながら,教育の様々な地域展開とかの議論が出てきています。
 さらに社会教育は,以前ここでも御紹介をしましたけれども,様々な省庁がやっているコミュニティー政策のようなものとも深い関わりを持っていて,そして,先ほどの御発言にもありましたけれども,地域づくりとか,さらには,自治体の生き残りを賭けた形で社会教育が重視されてくるというような動きがある中で,いわゆる特別行政委員会である教育委員会の中の行政領域であるという議論で済むような時代であるのかどうか。又は逆に言えば,それをどうしても維持をしなければならないとか,そういう議論も当然あり得ると思います。そういうことの中で,社会教育士,社会教育主事という専門職の在り方はどうあるべきなのか,それと今後の社会教育人材のニーズに応じた学習機会の拡大といったことが深く関わってくるのではないかとも思いますので,その辺りも少し念頭に置いていただいて御議論いただければと思います。
 では,まず今までの専門職人材の力量の形成・向上といったことも込みで結構ですので,ニーズに応じた教育機会の拡大について御発言いただければと思います。
 原さん,お手が挙がっていらっしゃいますので,原さん,お願いできますでしょうか。お願いいたします。

【原委員】
 東北学院大学の原でございます。よろしくお願いいたします。前半のテーマのところで挙げておりましたので,少しそちらの方にも関わるのですけれども,大きく二つあります。
 一つ目として,先ほどのところで資格の専門性というような話の中で,この講習で一応修了する資格をどのレベルで考えるのかということによって,大分話が変わってくるような気がしております。資格として本当に最低基準のものと考えるのか,それともかなりの実践力を備えていくのかということ,大きく分けると二つあると思うのですけれども,限られた中で,かつ,このように多様となっている中でいきますと,ある程度,最低ラインのものだというように考えないといけないのではないかと考えます。とにかくいろいろなものを詰め込もうと思えばいくらでも詰め込めるのですけれども,そこにはやはり限りがあるし,講習を実施する主体の負担も今の状況でも多いわけで,そうすると,ここでできることはやはり必要最小限,ないしは,資格の本当に基礎であるという位置付けにして議論していってはどうでしょうか。ついで,では,本当に必要なものとは何なのだろうかなという話になっていくのではないかなというのが一つ目です。
 それから,二つ目ですけれども,一応同じ講習から社会教育主事,それから,社会教育士という両方が生まれると考えれば,確かに同じ講習,そこで考えるべき内容というのは同じくなるのですけれども,一方で社会教育主事の活躍の場,それから,社会教育士が活躍する場というのはやはり違うところがあって,それを同じ講習の中でやらなければいけないということになると,考え方として例えばファシリテーション,プレゼンテーション,コーディネートの力が必要だと言われてはいるのですけれども,例えばファシリテートというのは教育活動といえると思うのですが,行政職員は基本的に教育活動はしないというのが前提です。一方で社会教育士の方は,先ほど間接支援,直接支援というのがあったように,社会教育士には法的な規制もなくファシリテートができるということを考えると,そういうことを一応前提としたカリキュラムや,そういったことを理解した上で講習を組んでいく必要があるのではないかなと思います。
 それから,社会教育主事の,先ほどの行政の,2番目の今の議題の方に行きますと,これまでもずっと,最初冒頭でお話ありましたように,生涯学習振興行政という話がございました。これがずっと何かあやふやなまま来ていて,社会教育の行政というのは一応独立しているのですけれども,ほかとの関連の中でやっていく行政を生涯学習行政と呼び,その部分を担当する中心が社会教育行政であったり,社会教育主事だと言われながらも,そこの領域が何となく難しいというか,なかなか手を出しにくいというようなところがあったのではないかなと思います。ですから,そこをきちんと位置付けて,生涯学習行政という領域をきちんと位置付けることによって,社会教育主事の一つの領域ができていくのではないかなと思います。
 以上です。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。先ほどの資質向上とも関わって,講習の在り方が,やはり基本的なことをきっちりと押さえておいて,学び続けながら主事になっていくという,先ほどの関さんのお話のような形ではないかということと,さらには,社会教育行政,それから,生涯学習行政ということの中でこれをどう受け止めるのか。もう少し言えば,社会教育士又は社会教育主事といった人たちの領域が,むしろ生涯学習振興行政という議論の中でよりはっきりしてくるような形を取る必要があるのではないか,そういう御指摘だったように思います。どうもありがとうございます。
 それでは,古賀さん,お願いできますでしょうか。

【古賀委員】
 遅刻して失礼いたしました。3点発言させていただきます。前回の事例発表,それから,これまで私が社会教育に関わっている中での所感でもあるんですが,社会教育主事講習については改めて,一応カリキュラムの定型的なものは決まっているものの非常にバラエティーに富んでいて,中にはアクティブラーニングの要素が高いものだったり,講習のアウトプットまでしっかり精査するものだったり,かなり多様だなと思いました。一方で,学習機会を拡大していくという上で,やはり質の担保という点が気になりました。一応,文科省という公的な機関による資格でもありますし,実務的に活躍する人たちを増やしていくという点では,先ほどの関さんのお言葉を借りると,「哲学」とスキルアップのバランスの持ち方や,これだけはしっかり学んでほしいという要素の設定が改めて懸案だなというのが1点目です。
 2点目なのですが,今回私が遅刻のため伺えなかった時間帯で国社研さんの発表もおありだったようなんですけれども,幸い各地で受講者の裾野がかなり広がっている印象です。一方で,私がよく出入りしている「地域福祉」とか「児童福祉」とか「地域づくり」の領域やSDGsに関心ある企業の関係者の方などからは「社会教育」という文言は一つも聞かれない場面がむしろ多いです。社会教育人材のニーズは確かに実数では増えているのですが,世間一般的に本当に増えているかというと,認知度もあいまってまだまだこれからという印象があります。そういう点では,キャリアパスとしての有用性を含む「社会教育」を経由することの具体的なメリット,実務的な魅力がもっと知られないと,なかなかマイナー感が拭えないかなというのが2点目です。
 3点目は,例えば私の知り合いの人材開発系のお仕事をされている方が社会教育士を取られています。恐らく今後はこうした,ある意味営利目的で活用するという方々もこれから増えてくると思われます。これもまたいろいろ御議論あるかもしれないのですが,これからビジネスパーソンも含めてプレーヤーを拡大していくという点では,社会教育の「プレイヤー」も,実際には人材開発コンサルなりの推進する側のプレーヤーと,現場で実働する方のプレーヤーという2層が存在するものと思っていまして,それぞれにどうなってほしいのか,それから,それぞれに具体的にどういうことは押さえていただきたいのか,その辺の整理も要るのかとも思います。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。社会教育士は,特に,非常に多様化しているのではないか。ただ,もう一面でやはり質の担保をどうするのかということもある。さらには,社会教育,社会教育と私たちは言いますけれども,そんなに浸透しているのですかということかもしれませんが,その上でこれから広がっていく過程でどうしても例えば実業界,経済界との連携,関わり等も出てくるので,その辺りの整理をどうするのか。どういうような力を付けてもらうのかとか,どういう形で社会教育行政という問題と経済界,企業との関わりを整理するのか,そんなことも課題になるのではないかというお話だったと思います。どうもありがとうございます。
 それでは,青山さん,今日はオンラインですけれども,いかがでしょうか。お願いいたします。

【青山副部会長】
 青山です。今回の社会教育主事と社会教育士の関係というところで発言させていただきたいのですけれども,そもそも社会教育士という称号が付与されることになってから,今,社会教育主事と社会教育士という言い方を便宜的にしていますけれども,そういう人たちがそれぞれいるというよりは,恐らくこれまで社会教育主事の養成課程で備わるとされてきた専門性の中に,役職固有に関する要素とより汎用的な要素の両側面があったということだろうと理解した方がすっきりするのかなと思います。2種類の人間がいるわけではないというか,形上いるのですけれども,少なくとも汎用的な面と役職固有の面があって,そのバランスが取れているのだろうと理解をしています。
 汎用性の面としては,ファシリテーション,コーディネーション,プレゼンテーションというションが三つ付くような能力というのは,私としては学びや地域づくりの専門家としての側面と言っていいと思うのですけれども,学びや地域づくりについての考え方をアップデートして地域の中でいろいろな活動していくという側面,この汎用的な面と,社会教育行政と言われてきたようなもの,これ自体も教育委員会の中だけにとどまるものはないということは,先ほどの平成11年の生涯審の答申にもありましたし,寺中構想と言われるものからずっとそうだと思うのですけれども,そういった広がりの中で,そうしたことを踏まえつつ,社会教育の行政専門職としてやっていく部分があるのだろうと思っています。
 ゆくゆくはカリキュラムをもう一度見直していくという検討が必要になってくるとは思いますけれども,これまでは役職固有のものが第一義的にあって,それに付随して汎用的なものがあるという講習の立て付けだったものを,順番を変えていく必要があるのだろうと思います。まずは,汎用的な学びや地域づくりの専門家としての側面があり,2階建てというか,どちらかというと2階の方に行政専門職としての固有の役割を位置付けていくような講習の在り方を考えてはどうか。
 ゆくゆくは1階の方だけ取れば社会教育士を名のっていいという言い方でもいいのかもしれませんけれども,そういった立て付けの中で改めてカリキュラムの内容を整理していく必要があるでしょうし,現行の制度でもうしばらくやっていくとしても,この1階と2階と呼んだようなものの捉え方を講習の中で変えていかないと,新しいニーズに対して,ただ社会教育法を詰め込まれるだけの講習になってしまうとニーズが合わない。
 もう一方で,これまでの講習の中心的な部分をなくしてしまうと,社会教育としての枠組み自体が見えなくなってしまうという問題がありますので,その両面を理解した上で,今,社会教育主事,社会教育士と呼んでいるこの枠組みを整理してはいいのではないか。特に,やはり社会教育主事という行政の専門職は,期間も長いことを考えると,事後研修のようなものがすごく重要になってくるというようなことは併せて考える必要があるのだろうと思って聞いておりました。
 もう1個,今,2個目の議論ということで出てきている,ニーズに対応するというところでいうと,先ほどの質の保証というのもあるのですが,大学等の実施機関が単位や資格の記録というか保存のようなものをどう考えていくかということを,実務的な課題としては考えておく必要があるなと思っています。教員免許だと,教育委員会に行って証明書をもらう手続がありますけれども,社会教育士はその辺,大学間でもかなり緩く,証明書があるところとないところがあったり,何年大学側が保存しておくのだといった話も大学ごとにかなり違うと聞いております。これを多様化して弾力化していくということは基本的に賛成なのですが,その場合のそういった記録面の仕組みの辺りも課題になるだろうなと思って聞いておりました。
 すみません,長くなりましたが,以上です。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。社会教育主事,社会教育士の議論をしていますけれども,青山さんの話を引き取れば,別のものではなくて,いわゆる汎用性が高いものなのか,それとも,それは役職固有の議論なのか。従来は役職固有の議論をしていく中で汎用性といったことを議論してきたのだけれども,新しく社会教育士という称号が付いたこともあって,むしろ汎用性をベースにしながら役職固有の方に持っていけるような,基本的なことを学んだ上での研修制度等をつくっていって,最終的には役職固有の役割が果たせるような人材として社会教育主事として任用されていくというルートがあるのではないか,そんなことの中でカリキュラムの在り方を議論する必要があるのではないかという話だったと思います。
 さらに,学修履歴の問題ですね。前回の大学からの御発表の中で,愛知教育大学でしたか,文科省から尋ねられれば,過去何人社会教育士称号を取っていますと調べますけれども,普通は調べていませんというところがどこかありましたが,そうなってしまっているものを,きっちりとやはり履歴が残るような形でシステム,制度をつくる必要があるのではないか,という御指摘です。それは今少し議論が始まっていますが,デジタルバッジのようなものとも関わりがあると思いますので,またこれはどこかで議論ができればと思います。どうもありがとうございます。
 それでは引き続きまして,では,伊藤さん,お願いできますでしょうか。お願いいたします。

【伊藤委員】
 皆様の意見を聞いていて,二つほど課題を感じました。まず,自治体の方で社会教育主事を置いていない自治体がかなり増えている。そういったところの自治体の社会教育に対しての取組の低いところに対して,社会教育主事とか社会教育士を増やしたところでどういったものだろうかというところを感じました。
 あと,社会教育士につきましては,業務としてやっている方々に関しては,先ほど古賀委員の方からありましたように,営利目的で資格を取ってくるというところもありますけれども,PTAとか子ども会とかボランティアで関わっている方々,実際に地域づくりに貢献している方々が社会教育士という資格をどういうふうにそこのところ,費用も掛かるものですし,なったからといってボランティアで終わってしまうのか,そこのところに何かしら報奨が付くのかというところも変わってくると思いますので,その辺のところも私たちは考える必要があるのじゃないかなと感じました。2点ほど。

【牧野部会長】
 ありがとうございます。現場のお立場からかと思いますけれども,社会教育主事の配置がどんどん減っていると。現在配置がない自治体に社会教育士や主事を増やせという形で増やしていっても活躍できるのだろうかという,ある意味では自治体がきっちりと位置付けることができるかという議論があるだろうとの御指摘です。
 それからもう一つは,今,ボランティア活動とか様々な,営利とは違うところで地域づくりに関わっていらっしゃる方も社会教育士を取りにこられているけれども,今後例えば有料化とか様々な議論の中で,そういう方々が称号を取られた後のことをどう考えたらいいのか,そんなことも課題になるのではないかという御発言だったと思います。どうもありがとうございました。
 それでは,倉持さん,先にお願いいたします。

【倉持委員】
 ありがとうございます。一つ目の社会教育人材の資質・能力の更なる向上と,二つ目の人材のニーズに応じた学習機会の拡大に少し行ったり来たりしてしまうかもしれないのですけれども,皆さんの御議論とか先ほどの牧野さんの社会教育の行政のという,そもそもというお話を伺いながら考えていたのですが。もともと社会教育士ができた背景としては,社会教育主事講習や養成課程の学びの成果を広く生かしていこう,実際には既に様々なところで生かされているのじゃないか,それをもうちょっと見える形に位置付けしていこうということで社会教育士という称号がある意味後付けというか制度化されてきたと思います。
 そうなってくると,ここで言う,今日も再三出てきている「ファシリテート」とか「コーディネート」とか「プレゼンテーション」というのがすごく役割があるとか意義があるということを各委員さんから伺って,なるほど,確かにそうだと思いつつ,これは社会教育固有の能力なのかと少し疑問に感じました。コーディネートというのは今,いろいろな業界でコーディネーターが大事と言われていますし,プレゼンテーション,確かに伝える力は大事です。しかし,この力の前提の文脈としては,やはり社会教育ということの学びを通してこうした能力が培われるということのその部分の「中身」は何なのかということを,つまり,どういうふうな内容が必要なのかという部分と関わってくるのかなと思いました。
 それに関わって,一つはやはり社会教育なので,主体的な学びあるいは交流を通した学びということを資質・能力としては学んで知ると同時に,そこで受講する人たち自らが主体的・交流的な学びを実感したり,あるいはそれを支援する理論と実践的な力を身に付けなければいけないだろうし,その価値を―,よく社会教育で言われることは,社会教育活動に携わった人にとってはその価値が分かるけれども,それに携わっていない人たちにはなかなか価値を共有するのが難しいなんていうことが言われますけれども,そういった価値の共有ということも含めて講習の中でそれを得なくてはいけないと思うと,前回の,今回も出てきましたけれども,オンラインとかの学びと対面の学びということの,どういうふうな配分だったり,割合が,―学習方法と学習内容ということなのですけれども,必要なのかということは重要なポイントだなと思いました。
 もう一つは,先ほども出ていた地域の特性という部分なのですけれども,やはり社会教育,公民館は市区町村立しかないという,社会教育の基本は地域コミュニティーだということを考えますと,その養成においても,やはり地域性,地域の課題や地域の固有の課題・状況とともに普遍的なスタンダードを学ぶというこの往還というか,その部分が非常に重要になってくると思っています。そういった意味では様々な大学や教育委員会が連携・協働,ネットワークをして,多様な特性を持つ,特徴のある講習を実施していくということは,ある意味必要というか必然なのではないかなと思います。
 今日の資料で出てきている16ページのところの構造というか,今後望まれる姿なんかを見ながら思ったのですけれども,もともとこの制度が改正されたときに,養成課程では実習を必修化するけれども,講習の方では科目を減らして実習等はなくなっていますけれども,それは実務経験をお持ちだからということでそういうふうになっていると思います。そうだとすると,様々に持っている多様な実務経験を社会教育という観点から省察したり,意味付け直したり,そうやってお互いの経験を学び合って引き出しを増やしていくというか,そういったことが社会教育主事講習の中で重要なのではないかと思います。先ほど,研修としてのというふうに野津さんがおっしゃっていたのですけれども,主事講習というのが資格付与ではあるんですけれども,特に主事講習の中においては学び直しというか学びの再定義みたいな部分が,実践と理論をつなぐような部分が要素としては含まれるのではないかなと思いました。
 こうしたように,主事講習とか養成課程もそうだと思うのですけれども,資格・称号を取りやすくしつつ,受講しやすくしつつ,ニーズに対応しつつ,内容も質の高いものにしていくということを考えると,社会教育の担当行政部局,大学の主事講習,養成課程の担当者だけではなくて,行政そのものの中で主事講習ということの価値や意義を意味付けてもらったり,大学運営全体の中で講習や養成課程を持っていることの価値や評価をどうつくっていくかということもやはり重要なのかなと思いました。
 以上です。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。社会教育士で求められる様々な資質があるわけですけれども,それが社会教育固有なものなのかということをやはり問い返す必要があるのではないか。そこでは,もう一度言い返せば,社会教育固有のものとは一体何であるのかといったことを問い返す必要があるのだろうといったことにもつながるのではないかと思いました。
 そういうことの中で,今後の講習の在り方とか,それから,養成の在り方といったことをもう一度考えておく。その中で例えば大学で社会教育主事を育成するといったことの意味が一体どこにあるのか,さらには,講習が開かれることの,又は文科省の事業としてきちっと開かれていることの意味がどこにあるのかといったことをもう一度問い返す必要があるのではないかという御発言だったと思います。どうもありがとうございます。
 では,随分お待たせしましたけれども,関さんからお願いできますでしょうか。

【関委員】
 すみません,関でございます。2回目で申し訳ございません。先ほどの志々田さんの話を少しフォローしようかなと思っています。3年前,コロナ以前と比べると今は全く違う状況ですよね。コロナの前はリモートなんか全く想定すらしていなかった。それをこれから先どういうふうに継続していこうとしているのかどうか,そのことによって全く方向性が変わってくるように私は考えます。
 リモートでできるのであれば,全国共通に誰かが講義をして,例えば概論の講義などは,みんなが共同視聴するというふうなスタイルを考えても問題ないのではないかなと私は思います。支援論や演習の部分において,それぞれの地域の独自性に沿った学びが展開されればと考えます。可能であれば,概論は全国それぞれの受講生の方が,個々にどの講師の話を視聴するか選択できるような,そういうふうな受講方法の選択肢を増やすことで,新しい学び方に流れていくのではないかなとも考えます。
 大学も含めて15か所ですかね,それらの実施機関の中で,恐らく四つのそれぞれの課程を結び付けた学びを展開していると思うので,自由な受講選択を認めてしまうと難しいところも確かにあろうかと思います。しかしながら受講生の立場からいえば,事例提供いただいた四つの大学等がやっていたプログラムを見てみると,それぞれにいろいろな特徴を持っていた興味深い内容なので,自分との相性は様々な気もしました。自分が興味を抱く,賛同する内容を学びたいという人が,自由に自分が学びたい内容や講師の社会教育主事講習の講義を選択できるようなプラットフォームがあって,そこに全部のメニューが掲載されていて,個々に選べれば,主体的に学びに取り組む意識が高まるのではないかなとも思います。私はむしろ対面を大事にしたい立ち位置なので,リモートへ一気に移行していくことにはジレンマを感じるのですけれども,今後は,従来のスタイルに拘ることなく,変革に踏み込んでみてもいい時期ではないかなとも考えます。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。講習の在り方として,先ほど志々田さんがおっしゃったこととも関わりますけれども,非常にニーズが多様化している中で,どう応えるのか。特に今回コロナを経て,オンラインで受講することが可能であるというような示唆もたくさん得ていますので,そのことも含めて,受講者が自分のニーズに合わせて選択ができるようなプラットフォームをつくっていったらどうかという御発言だったと思います。
 そうなりますと,当然,学修履歴をきっちりと個人で管理できる仕組みをつくらなければいけませんので,先ほどのデジタルバッジとか,それから,もっと言えば,例えば共通のものは国社研が担うとか,もっと言えば,放送大学などにもお願いをするとか,いろいろな考え方が出てくるのではないかと思いますけれども,その辺りも含めて多様性と質の担保と,それから,選択できるという,そういうことを基本に考えられないかというお話だったと思います。どうもありがとうございます。
 それでは,野津さん,お願いできますでしょうか。

【野津委員】
 私も2回目ですみません。資料の6ページに講習の一覧が載っています。11番はうちの地元の島根大学でありますが,これは始まったのは令和2年からなので,島根県の社会教育主事は,教員はほとんど10番の広島大学で受講しています。夏休み合宿型,4週間合宿型でありまして,教員はほとんどが小中籍なので,ちょうど夏休み,ここで,県の方から旅費を出して,今で125万ぐらいですかね,1週間オンラインになったので行かなくて済みますけれども,3週間だけ行くと。通ったり,泊まったりというのがありますけれども,昔はずっと合宿だったので,1人当たり30何万払っていましたけれども,当然,県が業務として派遣するということです。
 この人たちは,自分が希望して,校長の了解を取って,教育事務所の所長だか市町村の教育長だか,たしか面接か何かして,やる気があって選ばれた人間を県教委が派遣すると。こういうことで,うちの教員籍の社会教育主事というのは長くここがメインです。岡山大学もたまに行く者がおります。これも同じ派遣ですけれども,岡山大学さんは2年に1回の開講ということもあり,あるいは広島大学の方が近いということがありまして,広島大学が主体であります。
 国社研のA講習は,今年も外れてしまいました。事務局の方が優先と伺っていますけれども,うちは教員が行くので。恨みではないです。ただ,我々はそこから養成をしているので,教員籍なので,どうしても広島大学,岡山大学でなくて国社研を希望する志の高い教員でありますので,またよろしくお願いします。
 もう1個,B講習,これは島根県は2か所でやっています。東西に長いので,2か所でやっています。ここを受けるのは,市町村の行政職員と公民館の職員,これが業務でここへ来ています。ほとんどそうなります。ちなみに,このお手伝いをして現場で指導しているのは,社会教育士の資格を持っていない,うちの社会教育主事がお手伝いをしていると,こういう状況です。
 もう一つ,それで今,島根大学の講習が始まった。ということは,隙間的にいうと,夜なのです。B講習が2か所あって,何で市町村はそこを受けるかというと,日帰りができるから。車で日帰りさせればいいので,業務で行かせますけれども,それができるので,旅費がほとんどかからないということで,市町村はそこ行く。
 島根大学はどこに隙間があったかというと,夜,休日,ここにある。なので,ここは民間の人が行くのです。やはり業務として派遣されない人が,教員や行政職員,県庁の職員,事務職員なんかも行っています。コロナで広大がやっておられないときは業務で行かせましたけれども,基本,ここへ行く人間は任意です。個人として行く。それこそ夜なのでなかなか業務管理ができないというのもありますし,受講すると,時間外手当を払わないといけないのかという非常に難しい問題も出てきますので,これは任意で,我々は派遣は,先ほど言った広大合宿。なので,言われるようにちゃんと面と向かって,しっかり夜も含めて語り合う世界を私自身は大事にしています。なので,ここへ予算的には20人ぐらい行けるぐらいの予算は確保しております。
 そういう具合に,開講の時間とか機関で受ける人間がやはり制限されてくる。なので,私は広島大学にはやはり教員を前提とした,社会教育主事になるような人材を育てていただく講習をしていただきたいし,島根大学には民間で活躍する人たちを集めて,我々もしっかりサポートしていますから,そういったところで地域と行政が連携するようなところで活躍する方を育てていただきたい。もちろん任意ですので,どこかの大学でオンラインで取られても,特色のあるところができて,それも構いませんけれども,ある程度,業務で行くのか,任意で行くのかというところで自然と色が出ると思います。そういったところの,講習の実施機関はある程度分かっておられると思いますので,その色は守っていただければなと思っています。
 もう一つ,これは文部科学省さんを応援するという意味で言いますと,島根大学は,夜間にやる,休日にやるとお金が掛かるのです。文科省からのお金だけではやっていけないので,島根県がそれ以上に今出しています。県として負担金とか補助はできないので,委託費という形で出しています。見返りは,半分ぐらいは島根県の人を優先して受講させてくれということを何の協定もなくやっているので,ほかの全国からの申込みの方に文句が出て,応対が大変だというふうには聞いておりますけれども,やはり夜やると,講師の方が泊まらなければいけないとか,あるいは事務方が時間外手当が要るとか,あるいは別にサポート,運営人材が要るということなので,うちはもう一定程度支援の予算を確保しているのでいいのですけれども,是非頑張っていただけたらいいなと。
 それぐらいやはり夜間にやるのは大変なことですけれども,夜間にやると,民間の受講が増えるという,格段に層が広がるというメリットがあります。そこら辺をどうしていくのか。各行政団体が出せるのか,出せないのか。恐らく出せるところは,今聞くとありそうにない感じがしますけれども,出せないこともないということなので,地域との連携をどうしていくのか,養成した後どうしていくのか。カリキュラムの中に地元の地域課題をどれぐらい入れるのかということで,地元の人材の受講を促進することで,地元から少しお金を出してもらうようなことができるのか。もちろん受講料を取ればそれはそれでいいのかもしれませんけれども,そうした場合に,夜間に来る人は仕事ではないので,個人負担になりますから,受講者が逆に減るという面もきっとあろうかと思います。なかなかこの6ページの表は奥が深いと思っています。そこら辺の検討も必要ではないかと思っています。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。島根県の派遣実態から,様々な開講の在り方があるのではないかとの御指摘です。特に教員籍の方々で主事になることを目的として派遣される方々の受皿,さらには,そうでなくて,地域課題を解決したりとか,また,民間で社会教育士の称号を取りたい方々の受皿をどうするのか,そんなことも含めて様々な講習の在り方を検討する必要があるのではないか。さらには,経費の問題ですね。今,文科省からの委託事業という形で行われていますけれども,島根県はそれでは足りないので,島根大学には県として経費を支出していらっしゃるという話でしたけれども,そのことも含めて今後どういう形の講習を展開していくのかといったことも検討する必要があるのではないか,そんなお話だったと思います。どうもありがとうございました。
 それでは,山本さん,お願いできますでしょうか。

【山本委員】
 東神楽町長の山本でございます。私,北海道公民館協会の会長もさせていただいておりまして,そのこともあって,北海道の社教主事の運営委員会の委員もやらせていただいております。その中で結構議論になっていたのが,主事講のいわゆるカリキュラムの中で現代的ニーズをどういうふうに捉えるのだというのはかなり話題になっていて,それをオンラインの中で取り組んできたのが北海道だというような自負があるわけでございます。
 前回もお話ししたかもしれませんが,やはり地域の中でコミュニティーの関係とか,あるいは防災とか,あるいはデジタル化への取組とか,そういったことも実はカリキュラムの中に取り込みながらやっている。というのは,やはり社教主事のいわゆる現代的なニーズとしてそういったことが求められている。もっと言うと,地域の公民館が,結果として北海道の場合,いわゆるコミュニティーの核になっている。うちの町もそうなのですが,核になっているケースがあるということで,結局,社会教育をベースとした地域自治みたいなものが行われているという部分がかなりあって,そのことに対する社教主事のニーズというのはそこにもあるのじゃないかということだと思っております。
 その意味では,私どももやはり今いろいろな形で勉強の,特に生涯学習でいうと,学びの部分でいうと,オンラインでYouTubeだろうが何だろうが様々なもので学べるようになってきていて,いわゆる地域格差みたいなものはそれほど実はなくなってきている。何でもできるようになった。逆に言うと,社教主事を取って何をするのだということが求められるとすれば,やはり公共的なニーズであろうと思います。
 その意味では,逆に私どもはもっとコミュニティー政策に関与していくというか,そういうこともあってもいいのかなと思っています。1回目のときの資料なんかにもありましたが,各省庁さんがそれぞれコミュニティー政策に対してわーわーいろいろなもの出しているけれども,逆に文科省さんサイドでコミュニティー政策何か出ていますかといったら,本当は僕らからすると公民館ってコミュニティー政策だよねと思っていながら,実はそこをちゃんとコミットできてないような部分があるのじゃないかとは思っています。
 その意味では,僕らのニーズとしては,やはり社会教育,公民館とかをベースをした地域政策,コミュニティー政策みたいのがあるので,そういったものを取り組んでほしい。そうした中で,ある種,社会教育の社会教育士,あるいはさらに主事の場合はもう少し公共的な政策を組み込みながらやっていただけるようなのが私どもとしてはいいのかなというふうには思っております。
 以上です。

【牧野部会長】
 どうもございました。自治体の長として,さらには公民館協会の会長として,公民館そのものがやはりいわゆる地域づくり又は地域自治の拠点であって,そうしたことをうまく活用しながら地域づくりをしていく。また,もっと言えば,自治体のある意味では存続を賭けたような様々な取組を展開している。そのときに,社会教育士,また,社会教育主事といった専門職の在り方が問われるのではないか。そういうことも含めて今後きっちりと社会教育主事の養成の仕方,社会教育士の養成の仕方について,議論する必要があるのではないかという御指摘だったと思います。どうもありがとうございました。
 それでは,井上さん,お願いできますでしょうか。

【井上委員】
 井上でございます。2回目で申し訳ございません。いろいろ今議論が出てきたところなのですけれども,やはり社会教育士,このような社会教育行政の応援団というのは今まで期待していたものだと思います。本当にこんな強力な応援団はないと思うのですね。これを生かすのは,やはり今の社会教育主事がいかに施策に取り入れていくか,また,国としてどう発信していくか,また,民間としてどう応援していくかというように,総合的に取り組んでいくことが必要であると思います。せっかく生まれた制度ですので,盛り上げていかなければいけないと思います。例えば,社会教育指導員とか指定管理者の職員などの任用に際して必須条件にするなど,現行施策に取り入れていくことで飛躍的に活躍の場が増えていくと思いますので,そのような場面をつくっていくということが重要になるかと思います。
 それと,社会教育主事については,ちょうど7日までですか,社研の方で状況調査を実施しているようですので,調査結果で明らかになった社会教育主事の状況を踏まえながら議論していただくと,ニーズに合った形の研修内容とスキームになっていくのではないかと思いますので,よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

【牧野部会長】
 どうもありがとうございました。私の代わりにまとめていただいたような感じになっておりますけれども,社会教育士,これだけやはり皆さん注目をされていて,応援団がたくさん出てきているので,是非ともきっちりと,様々なところで活用できるような,活躍ができるような制度設計にしていく必要があるのじゃないかということと,さらには,社会教育主事の様々な調査等も今なされていますので,そうしたことも踏まえて今後の在り方をきっちりと検討する必要があるのではないか,そんなお話だったと思います。どうもありがとうございました。
 そろそろいい時間になってきているのですけれども,ほかに委員の皆さんから御発言はありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 今日の全体の議論ですが,社会教育専門人材,特に社会教育主事,社会教育士の育成の在り方に関して,基本的にはいわゆる社会教育とは一体何であるのか,さらには,社会教育行政とは一体何であるのかといったことを改めて検討し直さなければいけないときになったのではないか。それと,専門職の在り方といいますか,社会教育人材とは一体何であるのかといったことが,そこには密接に関わっているだろうという議論になったのではないかと思います。
 さらに,いわゆる社会の現場では,社会教育士が活躍するということと,さらにはまちづくりとか,もっと言えば自治体の存続を賭けた様々な取組といったことが密接に関わりを持ち始めている。さらに,そこに各省庁が展開をしているコミュニティー政策のようなもの,そうしたものが社会教育や公民館といったものと連携を取り始めている。そんなことを踏まえて,社会教育又はいわゆる教育行政の一環としての社会教育行政がどういうような役割が果たせるのかといったことをやはりきっちりと議論する必要がある,そういう方向性が出てきたのではないかとも思います。
 その上で,社会教育主事の育成の仕方,また,社会教育士の養成の仕方を,今後カリキュラムしてどう落とし込んで,具体化していきながら,きっちりとした養成のシステムをつくるのかということが問われてきている,そういうことではないかと思います。大きな方向性としましては,多様なニーズが出てきているので,きっちりと社会教育の人材であることは押さえながらも,そのニーズに応えられるような様々なカリキュラムが準備され,そして,個人のニーズに応じてそれが選択できるようなプラットフォーム形成,さらには,学んだことを自ら管理しながら履歴として残せるような仕組みづくりも必要ではないかという議論になってきたのではないか。そういうことも含めて,社会教育といったものが今後この社会の中にあってどのような役割を果たしていけるのか,そんなことが問われてくる,そういうことが今日の議論でなされたのではないかと受け止めております。
 よろしいでしょうか。そろそろ時間も,予定した2時間は過ぎておりますけれども,一応7時半まで時間を取っていただいておりますけれども,今日のところはこの辺りでよろしいでしょうか。ほかに御意見又は御質問等ありますでしょうか。
 ありがとうございます。それでは,また後ほど事務局の方にメールでもいただければ,議論の中に組み込みたいと思いますので,また後からもし御意見等ありましたらお伝え願えればと思います。
 それでは,進行を事務局の方にお返ししますので,資料3等の御説明をお願いできればと思います。

【中村生涯学習推進課課長補佐】
 事務局の中村でございます。資料3を御覧ください。今後の審議予定案をお示ししております。次回は726日水曜日17時から19時の開催を予定しております。
 事務局からは以上でございます。

【牧野部会長】
 ありがとうございました。次回は726日のこの時間,17時から19時を予定しております。その後の予定ですけれども,97日もありますので,是非御予定をお願いしたいと思います。
 それでは,今日の社会教育人材部会はここまででさせていただきたいと思います。活発な御議論どうもありがとうございました。お疲れさまでした。

―― 了 ――

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